世界侵略: ロサンゼルス決戦

2022年10月13日 木曜日

ジョナサン・リーベスマン監督、アーロン・エッカート主演の2011年のアメリカ映画「世界侵略: ロサンゼルス決戦(Battle: Los Angeles)」

アメリカ海兵隊隊員のマイケル・ナンツ二等軍曹は年齢による体力の低下もあり海兵隊からの除隊を願い出した。
その日、突如地球に流星群が近づいている事が分かり、世界各地の海に流星群が飛来。
流星群の中は機械で、そこから無数の人型の物体が現れ攻撃を仕掛けて来た。
マイケル・ナンツにも召集がかかり、ロサンゼルスの町に取り残された市民の救出へと向かった。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので、雰囲気的に宇宙人侵略モノの大作映画ぽかったので期待して見てみたら、話も映像も非常に安っぽく、典型に次ぐ典型で、これまでのこの手の映画をパロディで安く仕上げたかの様な酷くてつまらない映画だった。

始まった所から、まず地球が侵略されているのを見せて、そこから登場人物の丁寧な紹介になるという展開からして王道と言えばいいけれど、余りに典型過ぎて安っぽさ、しょっぱさを感じてしまっていた。
そこから部隊が町に出て行くと、これまでの何かで見た様な展開ばかりが続き、しかもそれらが見事におもしろくもない。
ヘリコプターに乗って助かったと思ったら当然ヘリコプターは撃ち落される。
主人公以外の勇気がある人物はやられちゃう。
妻への手紙を書いていた人も当然途中で死亡等々。

始めに丁寧に分かりやすく各登場人物紹介していたから、その各登場人物を見せて行くのかと思いきや、特に人物を立てずに人物紹介での背景も特に活かさず次々と死んで行くだけで、何の為の丁寧な人物紹介だったのか?というどうしようもない脚本。
しかも皆が同じ格好で、カメラを手持ちでぶらしまくっているので誰が何をしていて誰がやられたのかが非常に分かりにくく、早々と誰がどうなったかはどうでもよくなってしまった。

そして、最初の人物達は死んで行くだけなので途中で別部隊に合流して早くも新キャラ登場なんだけれど、兵士の中にミシェル・ロドリゲスがいて笑ってしまった。
ミシェル・ロドリゲスってこういう映画で、こういう人物をやたらと演じている印象で、この映画でもすっごいミシェル・ロドリゲス。

酷いのは映像もで、臨場感を出す為に手持ちカメラで映像をぶれさせるという安っぽい演出が常で、これって本当に見難いだけ。
しかも、やたらと人物の寄りが多くて周囲を映す事が少ないのは、製作費を大量に出せないからなるべく周りの破壊された町のセットやCGでの背景を使わない為に見せない様にしているのかな?と思ってしまった。
引いた時の町での破壊された自動車の置き方の安っぽさはなかったし、警察署での壁の汚し方とか、何故か天井の板が外れて何かの線がやたらと出ているのかと非常に安っぽかったし。
製作費が7000万ドルらしく、こういう映画にしては低予算だと思うからなるべくお金をかけない。見せないというのを実行していたんだろうなぁ。
だから広い場面での撮影が少なく、撮影しやすい室内や町中の狭い範囲だけでの撮影ばかり。
だから映像的にも非常に安っぽいんだろうなぁ。

こういう宇宙人侵略モノって、とにかく町の崩壊や戦闘を見せる為に常に宇宙人の侵略意図が不明ではあるのだけれど、それにしてもこの映画の宇宙人は酷い。
本当の意図が説明されておらず地球人の勝手な予想しか出て来なかったけれど、それにしても地球の資源(水?)を奪う為って、恒星間航行出来ているのに他の無人惑星や衛星の水とか土星の環の様なそこら辺にある氷を溶かすとかしないの?だし、そもそも地球側の戦力の情報収集もしたかも怪しくて、地球側の部隊をそれ程圧倒しない歩兵で制圧しようとしたり、結局わざわざ恒星間航行して総攻撃かけているのにやられちゃう馬鹿な宇宙人とか、もうギャグとかコメディ。
この手の宇宙人侵略モノの宇宙人って何でこんなに馬鹿なんだろう?
資源目当てならこっそり毒ガスとか生物兵器撒くとか、宇宙に浮いている巨大な岩石にブースター付けて都市に落とすとか、都市に大量破壊兵器バンバン打ち込めばいいじゃん…と何時も思ってしまう。
それだとこういう映画にはならないからだけなんだろうけれど、これってヨーロッパやアメリカのこれまでの侵略の歴史から来ているのだろうか?
恒星間航行出来るなら資源なんて無人惑星や衛星から幾らでも確保出来るだろうし、戦闘目的の戦闘民族なら名乗りもないまま急襲して勝っても名誉が無くて意味が無いだろうしで、突然訳も分からず襲って来る宇宙人のフィクションとしてもしょっぱさしかないのに、突然訳も分からず侵略して来るってヨーロッパやアメリカの歴史から来るコンプレックスやトラウマに感じてしまう。

この映画、脚本はこれまでの典型を継ぎ接ぎしただけの様な面白味の無い話で、人物も立てそうな始まりに反してどの人物も全然立たず仕舞い。
映像もB級C級のビデオ映画である様な臨場感の勘違い手持ちブレブレカメラで見辛いだけで、肝心のずっと続く戦闘もおもしろくないという何処を取ってもおもしろくない映画だった。
まあ、これはこれまでの映画のパスティーシュやパロディとしてみたらおもしろいのかもしれない。

☆★★★★

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