地球へ2千万マイル
2022年01月29日 土曜日ネイサン・ジュラン監督、ウィリアム・ホッパー主演の1957年のアメリカ映画「地球へ2千万マイル(20 MILLION MILES TO EARTH)」
見たのは2007年のカラライズ版。
アメリカの金星探査ロケットが金星からの帰還中にイタリアのシシリー沖に墜落した。
乗組員の二人だけが漁師達に助けられたが一人は死病で死亡し、ロバート・カルダー大佐が生き残った。
ロケットには金星で発見した金星の生物の卵が乗っていたが、ロケットの沈没で海に投げ出され海岸へと運ばれ、それを見付けた少年が生物学者に売りつけた。
卵から生物が孵化し驚異的な速さで成長し始め人々を襲い始めた。
古いSFを見てみようで見てみたけれど、レイ・ハリーハウゼンによるストップモーション・アニメーションは抜群に良いのに話が常にのっぺりとしていて起伏が無く、終始退屈だった。
映画内では名前は出て来なかったけれど、どうやらイーマというこの怪物は動きは生きている様に滑らかに動くし、人間と同じ位の大きさの時の背景や人間との合成も中々おもしろく、多分この映画での一番の見せ所のイーマ対象なんて、象も生き生きしていて楽しい。
ただ、イーマ対象は何で謎の怪物と象が戦っているのだろう…と結構ポカーン…だった。
話は終始間延びしていて、怪物が動き始めるまでが長過ぎ、怪物が動き出しても何だかよく分からずに怪物が暴れて、よく分からない内に怪物がどっかに行ってしまうという事の繰り返しで、まあつまらない。
怪物はただ単に突然見知らぬ場所に連れて来られ、見た事も無い奇妙な生物達に追い立てられて攻撃されているだけなので人間側が悪者っぽくなり、人々に危害を加えるので退治しようとする警察署長が真面な判断で、とにかく生きて捕獲しようとする主人公が無能な悪役染みてしまい、誰に共感させる様にしようとしていたのかさっぱり分からなかった。
一方で怪物を悲劇の生き物にしているかと言えばそうでもなく、何処に話を振りたいのかが物凄く曖昧でグズグズ。
怪物の金星生物の設定も金星である必要性もなく、急に地底から現れたとか、研究施設から逃げ出したとかでもいいし。
この映画、イーマを見る映画だし、レイ・ハリーハウゼンの技術を見る映画で、話はおもしろくはなかった。
☆☆★★★