スフィア

2022年02月05日 土曜日

バリー・レヴィンソン製作・監督、ダスティン・ホフマン主演の1998年のアメリカ映画「スフィア(Sphere)」
マイケル・クライトンのSF小説「スフィア 球体」が原作。

心理学者のノーマン・グッドマン博士は政府からの緊急要請で太平洋へと向かう。
ノーマン・グッドマン博士は航空機の墜落事故の被害者の心理面のケアで呼ばれたと思っていたが、海上の軍艦には知り合いの宇宙物理学者、生化学者、数学者も集められていた。
軍からの説明では偶然に海中に巨大な物体を発見し、それが人工物であり、調査により数百年前に埋没した宇宙船だと判断し、内部に何らかの生命体がいる可能性があるので異星人とのコンタクトを取る為に各分野の専門家が集めたという事だった。
科学者四人と軍人で宇宙船内部に入り探索すると生命体は見付けられなかったが、記録から数十年後の日付を示している事が分かり、更にその宇宙船はアメリカ軍の宇宙船だと分かった。
更に探索を続けると宇宙船内部には巨大な球体が浮かんでいた。

この映画、結構前に見た様な、見てない様な位の曖昧な感じで見てみたら、全然覚えが無いので多分初めて見たのだと思う。

展開が初めは異星人とのコンタクトへと非常に小気味良く進んで行き、異星人かと思ったらタイムトラベルして来た未来の地球人だと分かり、そこからスフィアへと流れる様に進んで行って、結構ワクワクドキドキで見れておもしろかった。
ただ、スフィアに入ると潜在意識的な恐怖が現実化するという話になって来ると分かる様で分からない様なふわふわした話になり、サスペンス・ホラーの状況を作り出す為だけの言い訳設定にスフィアを使っている感じで、終盤になればなるほどそんなモノなのかなぁ…位で段々と興味が薄れてしまった。
スフィアについては初めからこれが何かを説明する気がないのでそんなモンなのかしか思わないけれど、一番引っかかったのはサミュエル・L・ジャクソンの態度。
サミュエル・L・ジャクソンが悪い奴にミスリードしたくて、スフィアの中は何だったのか?の質問には「よく分からない」とかの答えを言う訳ではなく沈黙とか、終盤までやたらとサミュエル・L・ジャクソンを怪しくしていたけれど最後は地上に帰るんだで一緒に帰ったから、この怪しいサミュエル・L・ジャクソンの行動が後から思うと意味不明。

見ていた時から気になったのは、この映画って常に他の何かの映画と似ている気がした事。
狭い深海の基地で何かが起こるのは「アビス」
宇宙船っぽい内部で何かが起こるのは「エイリアン」
特に最後の方のウミヘビに襲われるのなんか「エイリアン」のチェストバスターっぽい。
潜在意識が現実化するのは「ソラリス」
見ていた時は独特な新しい様な気がしていたけれど、何だか過去の寄せ集めの様な気がしないでもなかった。

この映画、序盤はミステリー・サスペンスとしてはおもしろかったけれど、終盤の恐怖が現実化する混乱が弱い様な気がして物足りなさを感じてしまった。
特に最後の忘れてしまった三人が座っている場面が直ぐに終わってエンド・クレジットになってしまい、色々あったのに余りにあっさりし過ぎる終わりで拍子抜け。
考えているのか、虚ろなのかな三人を一、二分位は映し続けて欲しかったのだけれど。

☆☆☆★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply