グランド・イリュージョン
2018年08月20日 月曜日ルイ・レテリエ監督、ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ出演の2013年のアメリカ映画「グランド・イリュージョン(Now You See Me)」。
ストリート・マジシャンだった四人の元に謎の招待状が届く。
一年後、四人はフォー・ホースマンとしてラスベガスで大規模なマジックショーを開催するまでになっていた。
四人はショーでフランスの銀行から大金を盗む出し物を見せるが、実際にフランスの銀行から大金が盗まれていた。
この事件をFBI捜査官ディラン・ローズとインターポール捜査官アルマ・ドレイが協力して捜査する事になるが四人に翻弄され続け、元マジシャンで現在はマジックのネタバラシをしているサディアス・ブラッドリーに協力を求めた。
わたしは始まりの四人のマジックを見せる部分で、「どう?凄いでしょ?洒落ているでしょ?」のグイグイ感が鼻についた上、メンタリストとは言っているけれど、ほぼ魔法の催眠術師が出て来た所で一気に白けて興味が失せた。
これ以降もつまらない。クソつまらないので早い段階で早送ってしまった。
終始、脚本家がやりたい事を見ている側に納得する様な説明も無く詰め込んでいて、脚本家の手の上で好きに話が回っているだけで白けまくり。
しかも話の軸は常にぶれて外しまくりだし、マジックを扱っているのにどれも現実味が無い。
始まりで四人の人物を見せ、彼らが集まって来るから、この四人が主人公だと思うのに、初めの銀行強盗のマジックを見せ終わると突然四人は脇役になってしまう。
そこからは主人公はFBI捜査官ディラン・ローズで、四人は追いかけられる悪役になり、そこで「あれっ?」。
この序盤でこの映画が何を見せたいのかがいまいちはっきりしなくなる。
始まりで四人に感情移入して下さいと宣言しておきながら、四人は悪役で追いかけられる方な上、彼らの動機が何も見えて来ないので感情移入なんて出来ないし、主人公をFBI捜査官にしてからも最後の狙い過ぎなオチのせいで、後から思うと上手いミスリードではなく、ただ観客に見せる為だけのほとんどメタフィクションみたいになってしまっているし、最後のオチをするならモーガン・フリーマンと四人の対決を見せないと意味が無いのに、モーガン・フリーマンはただ遠くから眺めているだけ。
FBI捜査官は常に翻弄されるだけの良くある出来の悪いサスペンスでしかなく、マジックの種明かしは詳しい証拠分析も無いまま、長年の経験から来る予想でしかないモーガン・フリーマンの説明だけで終わったり、マジックは大規模で用意周到過ぎるけれど、どれも四人側に上手く行き過ぎてて現実味が無いし、何処を取っても低品質。
それにマジックを扱っている映画なのに、そのマジックをCGで描いたら何でもありで、初めから現実味を放棄してしまって作り物の中の分かり易い作り物を見せられた所で見る気失せたし、それよりも全ての一番重要な部分は何でも無敵の催眠術でやってしまうので、ただただ展開に都合が良いだけ。
脚本家が酒飲んだ勢いで一晩で書き上げたんじゃないだろうか?と思える位ツッコミ所が多いし、展開も散漫。
この映画、早い段階でモーガン・フリーマンとマイケル・ケインが出て来た時点で、「この映画ダメ映画臭いなぁ…」と思ったらその予想が当たってしまい、初めの四人の紹介部分で全てが上手い事行くお洒落感の小癪感ったらなかったし、四人の隙間の無い立て続けの会話劇は、まるでわたしが嫌いなクエンティン・タランティーノっぽくて捕まれなかったけれど、それ以降も脚本家に都合の良いファンタジー映画で本当につまらなかった。
★★★★★