バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3

2016年07月18日 月曜日

ロバート・ゼメキス監督・脚本、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・J・フォックス主演の1990年のアメリカ映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(Back to the Future Part III)」。
シリーズ三作目で完結編。

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で改変された現在を元に戻す為に1955年にデロリアンで再び戻ったマーティ・マクフライとエメット・ブラウンだったが、エメット・ブラウンが乗ったデロリアンに雷が落ち、偶発的にタイムスリップしてしまう。
1955年に取り残されたマーティ・マクフライはエメット・ブラウンが1885年に行った事を知り、更にエメット・ブラウンが1885年に死んでしまう事を知り、エメット・ブラウンを助ける為、1955年のエメット・ブラウンに協力を仰ぎ、1885年の西部開拓時代へとタイムスリップする。

これまで何回か見て、一番おもしろいと思っていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」がいまいちだった事が自分自身で意外だったけれど、それとは逆にあんまりおもしろくないと思っていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」を見直してみると、結構おもしろいじゃんと思ったのが自分自身で意外。

「PART2」は話を展開させる為に急ぎ足過ぎた感があり、更に結局解決しないまま、思いっ切り次へ持ち越し、その最後の予告編を始めて見た時、西部劇だったので「え、何かなぁ…」と期待感が薄く、「PART3」は西部劇という今までとは全く違う舞台でいまいち感が一杯だったけれど、改めて見ると今まで薄かったマーティーとドクのデコボココンビのコメディを強く押し出していたし、恋愛やアクションも入れ込んで一本の映画としては全然「PART2」よりもまとまっている。

ただ、やっぱりこれまでのマーティーを中心とした彼の家族の過去未来話で行ったり来たりしていたのが、今回は完全にドクが中心となってしまった事や、様々な情報や自分自身の経験から誰もが思いを馳せる事の出来る身近だけれど未体験の過去未来で展開させて来たのに、急に百年前の時代劇って違和感。
決してドクの話がつまらない訳ではなく、寧ろおもしろいけれど、見ていると「この映画の主人公はマーティーだったよなぁ…」とは思ってしまう。特にこれまでがマーティーの映画だっただけに、余計にドクの押し出し感は強く感じられてしまう。
ただ、このドクの前へ前へ感で、これまでそれ程深い関係性に見えなかったマーティーとドクが非常に仲の良い友人関係を見せて、そこの部分は楽しい。それでも、何でマーティーとドクがこれだけ仲が良く信頼しているのかは、そもそもの始まりが一切無いのでよく分かんないのだけれど。

西部開拓時代というのは、これまで30年前、30年後としてしまったので、より強い印象を引き出す為には100年後の未来にすると安っぽいSFになってしまうだろうという事だろうと思うけれど、それでも西部開拓時代にしてしまうとこれまでのシリーズとは切り離された外伝感が物凄く強くなってしまっているのがどうにも…。

「PART1」では後から見直すと、序盤のこの台詞が後でのこれの伏線になっている!とか、セットのこれがああなり…等、非常に上手くサラッと伏線を張っていた素晴らしい造り込みだったのが、「PART2」は「PART1」ありきで「PART1」を活かした伏線となっていたのを既にしてしまっている分、「PART3」でのこれまでのシリーズからの引用や伏線はもう在り来たりになってしまって新鮮が無いし、序盤での様々な事を活かし切れず終わってしまった感じがある。
例えば、100年間も眠りにつき、そこから1955年の技術で復活したデロリアンなのに、そのガタが来ているんじゃないのか?とか、1955年の技術で本当に大丈夫なのかとかの展開は全然無く、一番目に付く1950年代の分厚いタイヤも結局は線路なので外して活躍も無しだし、これまで何度もやっていたその時代のマクフライ家の男対タネンの悪ガキ対決さえも無いし、折角のこれまでの積み上げに手を付けなかった感じも非常に勿体ないしなぁ。

登場人物達も、ドクが主人公となっているので今まで活躍した人が薄くなってしまい、それまでのヒロイン役だったマーティーの母親ロレイン・マクフライ役のリー・トンプソンは先祖役で少し登場するだけで活躍は無しだし、あれだけ輝いた敵役のビフ・タネン役のトーマス・F・ウィルソンも変わらず敵役で出てはいるものの、長髪・髭面・顔が黒くて顔や表情がはっきり見えない事もあって印象が弱く、今までのビフ・タネンをなぞっただけ終わってしまうのも勿体無さを感じてしまった。

元々「PART2」「PART3」は一作として考えられていたそうだけれど、未来・過去・更に過去で一気に見せるのだったら展開として分かるけれど、それを二分割してしまった事でどちらもどうにも中途半端になっているのが否めない。三時間半とかでもよかったから、一作にまとめた方がよかったんじゃあないかなぁ?と思ってしまう。

あと気になったのは、マクフライ家の祖先がシェイマスとか、ウィリアムと言う名前で、マーティーの家系ってアイルランド系だったのか。アメリカが移民の国であるのは分かっているけれど、移住から50年後にはあんな町にまでなり、皆アメリカ人という風になる感覚というのが興味深かった。

この映画、一本の映画として見れば結構おもしろのだけれど、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の三作目で完結編となると、どうにも微妙。舞台設定から登場人物の使い方、折角積み上げたこれまでの映画での要素を伏線とする様な展開を存分に発揮しないままだった事など、う~ん、微妙…。
決してつまらない訳でもないのだけれど、期待を越えない弾けきれなさは何だろうなぁ。
そう思うと、やっぱり一作目の良さが群を抜いているという事を再確認。

☆☆☆★★
 
 
関連:バック・トゥ・ザ・フューチャー
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