ザ・シンプソンズ シーズン25
2015年02月28日 土曜日「ザ・シンプソンズ」のシーズン25が無料放送の日にまとめて放送されていたので見てみた。
毎回の序盤の話とは全然違う方向に展開して行くのには凄い脚本書いているなぁと関心させられているけれど、それ以外の発想と実現の部分でも凄かった。
17話の「リサの理想の結婚相手(Luca$)」のオープニング・クレジット(Couch gag)は「マインクラフト」のパロディになっていて、「Minecraft」ならぬ「Simcraft」で、登場人物や建物まで「マインクラフト」風。「The Simpsons Theme」の音楽も「マインクラフト」風。
18話の「クローンがあれば大丈夫(Days of Future Future)」は未来が舞台で簡単に死んだホーマーを何度もクローンとして生き返らせて、大人になったバートやリサが登場するのにマギーが全然いなかったりする話なのに、話が終わってエンド・クレジットになると何故かテレビドラマ「マッドメン」の予告のパロディで最後まで笑かそうとする姿勢が好き。
19話の「ブードゥーの呪術師(What to Expect When Bart’s Expecting)」のCouch gagはポーランドのMichal Sochaによる白黒赤の不思議で不気味な1分程のアニメーション。
彼の公式サイトで、そのCouch gagが丸々見れる(COUCH GAG – The Simpsons)。
そう言えば2話の「ハロウィーン・スペシャルXXIV(Treehouse of Horror XXIV)」のCouch gagはギレルモ・デル・トロが監督するこれまでのホラー映画やコミックス等のパロディ満載の三分近いモノで、このシーズンはCouch gagに力入れているのかしら?(こっちも公式サイトで見れる【Watch Guillermo’s Treehouse of Horror Couch Gag】)。
内容はCouch gagとは全然関係無く、馬を交尾させようとホーマーとバートがミュージカルを始め、実際に声を当てているダン・カステラネタとナンシー・カートライトが歌を歌い上げ、あの冴えないホーマーが凄い伸びのある歌声で驚いた。ダン・カステラネタ自体が見た目が全然ホーマーと違い、鋭い感じの顔をした紳士的な人に見えるのも驚く所ではあるけれど。
20話の「レゴ!レゴ!レゴ!(Brick Like Me)」は題名通り、登場人物もスプリングフィールドもレゴで出来た世界のお話でレゴの世界を3DCGで再現しており、これが単なる一ネタかと思いきや、現実の世界と理想のレゴの世界というSFをやっている。この題材は「何かフィリップ・K・ディックの世界みたい…」と思ったら、ホーマーが行くおもちゃ屋の壁に貼られているポスターは「ブレード・ランナー」ならぬ「BLOCK RUNNER」だし、棚に置いてある本(レゴの世界なので多分シール)は、「Philip K. Brick」の「Do Minifigs Dream of Plastic Sheep?」「The Minifig in the High Castle」「UBRICK」「A Scanner Blockly」等、フィリップ・K・ディックの小説のパロディ満載で、レゴという見た目の話題性の中で全然違うフィリップ・K・ディックネタを展開してしまうのだから凄い。
ついでに「ハンガー・ゲーム」のパロディ「Survival Games」という映画を出して来て、リサやマージは真剣に主人公の女性がどっちの男性を選ぶかで悩んでいるのを見ているのに、ホーマーは早く殺し合いの場面にならないか待っているという、「ハンガー・ゲーム」への女性とおっさんの反応の違いとか皮肉といじりまでしてしまうし、この回色々と凄いよなぁ。
「ザ・シンプソンズ」って、四大ネットワークと言われている大手のFOXで日曜日の夜八時からの放送という完全に全対象向けのはずの番組なのに、マニアが喜びそうにしかない事やっているって凄いよなぁ。