シティヒート
2013年04月13日 土曜日クリント・イーストウッド、バート・レイノルズ共演の1984年の映画「シティヒート(City Heat)」。
かつてクリント・イーストウッドと警察で仲間だったけれど、現在は独立し探偵事務所を開いているバート・レイノルズ。そのバート・レイノルズの相棒がギャング組織の裏帳簿を使い儲けようと取引をしようとするが、敵対するギャング組織に追われ殺されてしまう。バート・レイノルズは二つのギャング組織に狙われながら相棒の仇と自分達の身を守ろうとする。
ハードボイルドな雰囲気はあるけれど、バート・レイノルズはコメディリリーフで、物語もコメディ色が強い割におもしろくは無い。
始めや物語の導入はいい感じなのに、それ以降はバート・レイノルズが二つのギャング組織に付け回されるけれど大きな何かがある訳で無いので起伏が無く、クリント・イーストウッドとの絡みも少しなのでガッチリとコンビにもならずで、盛り上がりも無いままのっぺりと進んで終わって行く感じ。この導入なら裏帳簿争奪戦の出し抜きや、私立探偵と警察という立場の違う二人の組み合わせの妙を期待するけれど、出し抜きもコンビでの活躍もほとんど無し。早い段階でこの映画の絶頂が来て、それ以降ズルズルと盛り下がって行く感じ。台詞も小洒落た感を出して来ているけれど、どうにも小気味が悪い。終盤になると急にコメディ色を前に出して来る脚本の構成も変。
途中の銃撃戦で、何発撃たれても中々死なないのは一体何なのだろう?当時の銃の構造的なモノ?次々に銃身が長過ぎる銃を取り出しての銃撃戦も、ボケにしては笑って下さい感が無いし。
ただ、バート・レイノルズには笑ってしまった。演技よりも見た目で。初登場で、やたらとドウランが濃く、顔が赤くツルツルしていて、口髭はキチンと濃く描かれているのか、顔全面がコント化粧っぽい。堀内孝雄かと思った。
クリント・イーストウッドは、少々コメディ色を出してはいるけれどそれも大人し目で、弾けた感じは無いし。クリント・イーストウッドの出番が少なく、コンビモノにしては相方にしても彼の配分の悪さは目立つ。
当時は、20世紀初頭の時代劇でクリント・イーストウッドとバート・レイノルズ共演と言う話題性で出来た映画だったのだろうけれど、話がおもしろくなく、そのせいで折角の雰囲気や役者両人の存在感も消されてしまい、至って平板な、それ程おもしろくもない映画になってしまった感は強い。舞台設定、人物設定、脚本といった全てが見事に噛み合わずにダラッと流れてしまっている。
☆☆★★★