ボディガード
2012年08月22日 水曜日ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン共演の映画「ボディガード(The Bodyguard)」。
脅迫が来た有名女性歌手のボディガードをするボディガードという、まさに題名通りの話。そして話も非常にベタ。必要以上に警戒するケビン・コスナーに嫌気が差し、反発するホイットニー・ヒューストンだけれど、段々と彼を理解し、お互いの距離は近づいて行き…と、期待は裏切らない、そうなるだろうの展開。
しかし、ケビン・コスナーは何でホイットニー・ヒューストンに惚れるかのはさっぱり分からず、単にしたいだけに見え、しかもしたらしたで「依頼人と寝るなんて…。」と彼女を拒否。その彼にやたら辛く当たるホイットニー・ヒューストンとか、彼女の対応にイライラして何もしていない人をボコボコに殴るどうしようもないケビン・コスナーとか、余りの脚本のしょっぱさにニタッとしてしまう。序盤は、脅迫、警備の強化、言う事を聞かない依頼人とか、幾らでもサスペンスとしても、ドラマとしても膨らませれる様な設定があるのに、中盤辺りからしょうもないメロドラマにしてしまった為に「あれれ…?」と盛り上がりは下降線を辿る。
そして、どうしても引っ掛かるのはケビン・コスナーの役柄。元シークレット・サービスで、仕事は熱心過ぎるけれど自分の事は気に留めないハードボイルド的で、常に彼の言う事成す事正しく、向こうから女性が積極的に誘って来る等と、他のケビン・コスナーの映画でもそうだけれど、何時も自分に酔った様なカッコ良過ぎる人物なのがどうにも鼻に付く。
それに話的にも変な所も。今まで非常に過敏に周りを気にして警護していたのに、二人だけでデートすると至って普通に行動し、全然警護に気を使わない。何より、普段は押しも押されぬ大スターなのに、普通な格好で外に出ると、一切騒がれもしない有名歌手の扱いが変だけれど。
訳が分からないのは、ホイットニー・ヒューストンが日本刀を構え、そこに彼女のスカーフを落とすと真っ二つになったから、ケビン・コスナーがキスをする所。行動の因果がさっぱり分からない。
あと「ボディガード」という事で、劇中に黒澤明の「用心棒」の三船敏郎の一場面が出て来るのだけれど、そこに関する男の道的な話は良いとして、その映画を上映していた劇場から出て来る時に、そこの看板がカタカナで大きく「アタシ」と書かれていて、何のこっちゃ?。これって本来「シアター」って書きたかったのに、日本語分かる人がいなくて雰囲気で「アタシ」になってしまったのか…?それよりも「用心棒」を上映していた劇場のポスターの題名は何故か「燃える朝日」になっていて、こっちの方が意味不明。
導入は良いのに、徐々に話も、ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの役もしょっぱさを見せ始め、どうでもいいメロドラマになり、サスペンス部分もあんまりおもしろい展開を見せず、見て行く内に「何だかなぁ…。」と退屈し始める。無難にまとめて、まとめ過ぎた感は強く、大して面白味は無い。
☆☆★★★