地下室のメロディー

2011年10月03日 月曜日

ジャン・ギャバンとアラン・ドロンと言えば、映画を見た事が無くても知っているであろう20世紀フランス映画俳優の代表二人。その二人が共演した「地下室のメロディー(Mélodie en sous-sol)」を見た。

ジャン・ギャバンの独白から始まり、最近ではサントリーのBOSSの宣伝で使われている印象的なまさにメロディーが流れ、一気に心鷲掴み。…だったのだが、本題に入るまでが長いし、演出的にも間延びしていると感ぜられ、どうもいまいち。アラン・ドロンの恋模様はおもしろかったが、本編の犯罪話は真っ直ぐ過ぎるし、手間かけ過ぎ。ジャン・ギャバンが主役で始まったと思った話はどんどんアラン・ドロンの方へ寄って行き、結局印象に残るのはアラン・ドロンで彼の映画になっているのも気になった。
1960年代のハイソなロングバケーションは、いかにもヨーロッパ映画な音楽もあり、とってもお洒落。バンドの方の、ケラの方のロングバケーションがヨーロッパ映画音楽をカバーするのも頷ける。

二人の役者はどちらとも良い。ジャン・ギャバンはクスリとも笑わず、どっしりと構えて存在感を出しているし、アラン・ドロンは若さの無鉄砲感が前面に出ていて、上手い配役。アラン・ドロンは登場時のチンピラ風の時はそれ程だったが、背広でビシッと決めるとやっぱりカッコ良い。二昔、三昔前の男前の代名詞も良く分かる。

この映画は、やはりジャン・ギャバンとアラン・ドロンを見る映画。もうちょっと鋏を入れてくれれば、緊張感のある映画になったのにとは思う。

☆☆☆★★

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