ゲットバック

2014年08月12日 火曜日

サイモン・ウェスト監督、ニコラス・ケイジ主演の2012年の映画「ゲットバック(Stolen)」。

金庫破りのウィル・モンゴメリーは仲間と共に銀行を狙う。しかし、FBIが情報を掴み彼らを包囲していた。仲間は逃げたがウィル・モンゴメリー一人が金を持ってFBIに追い駆けられ捕まるが、その金は探しても見つからなかった。
八年後、出所したウィル・モンゴメリーに死んだと聞かされたかつての仲間から電話がかかってき、「盗んだ金の分け前をよこせ」と脅され、娘が人質に取られている事も知る。

かつてはニコラス・ケイジ主演映画と言えば大作映画で、彼の名前が前面に出たトップスターだったけれど、金使いの粗さや家庭内暴力だので段々と落ちて行き、今じゃ彼の名前じゃ以前の様に人を呼び込めず、出る映画出る映画ゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞にノミネートされてしまっている。しかし、そんな中でもこの映画はある程度のサスペンス映画になっている。…なってはいるけれど、特に目新しい題材でもないし、目を見張るアクションでもないし、謎やサスペンスで引っ張るおもしろさもないし、凄い普通なサスペンス映画でしかない。2000年前後のニコラス・ケイジ主演作から、敵役の有名俳優とお金をかけた映像や特効をすっかり無くした感じの映画。なので、物凄い今更感が強い。

話も始まりの銀行強盗からの逃走劇は結構おもしろいのに、その後の本編となる脅されてからがもう少しおもしろくなる感じはするけれど、大して跳ねないのでスラッと流れてしまう。あの盗んだ金は本当にあるのかどうかとか、特に罠も張らず娘を連れて回るだけの元仲間とか、始めはニコラス・ケイジを信じていないけれど彼の話が本当と分かりつつも盗んだ金を取り戻そうとしてるFBIとか、もっと引き付ける展開、おもしろくなる展開に出来そうな要素があるのに活かし切れていない感じ。

ニコラス・ケイジはやっぱり髪型が気になる。別にハゲててもいいのに、そのハゲ方が毎度格好良くない。それにニコラス・ケイジが全速力で走る場面があるのだけれど、それが物凄く遅い。何か重い。これはカメラの見せ方なのか、ただ単に本人が遅いだけなのか。本人が遅くても速そうに見せるのが制作側の仕事なんだろうけれど…。

出所したニコラス・ケイジが娘に会いに行くけれど、場所はニューオーリンズでマルディグラの時期って、X-MENのガンビットでゴーストライダーじゃん(日本語翻訳版「X-MEN」の三巻の「X-Men」と「Ghost Rider」のクロスオーバー)。ただクロスオーバーの時のゴーストライダーはダニエル・ケッチで、映画「ゴーストライダー」でニコラス・ケイジが演じたのはジョニー・ブレイズの方だけど。
それに炎に包まれた自動車をニコラス・ケイジが運転して、ゴーストドライバー。

原題と邦題の方向性が逆なのは何だろう?原題は「Stolen」で「盗み」なのに、邦題は「ゲットバック」で「取り戻す」って。

この映画で改めて思ったのは、「ナインティナインのオールナイトニッポン」のネタハガキであった「ヴァギナは英語の発音ではヴァジャイナ」というのは本当なんだという事。

この映画、「ここが悪い!」と大きく言う所もないけれど、だからと言っておもしろい訳でもなく、普通としか言い様がない映画。この話でニコラス・ケイジ主演。やっぱり今更…。

☆☆★★★

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