ボディ・ターゲット

2013年12月17日 火曜日

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の1993年の映画「ボディ・ターゲット(Nowhere to Run)」。

囚人護送時に仲間の手助けで脱走したジャン=クロード・ヴァン・ダム。逃走中に盗みに入った家が、地上げの脅しにあっている事を知った彼は、その一家を助け始める。

ジャン=クロード・ヴァン・ダム映画にしては、非常に真面目、地味な映画。アクション少な目で、未亡人家族との交流が主題で、ジャン=クロード・ヴァン・ダムも寡黙な男。彼は本当は犯罪者ではあり、正義の人でもないからこそ、他のジャン=クロード・ヴァン・ダム映画とは一味違った雰囲気がある。展開は真っ直ぐだけれど、亡くした夫を思い続け自分達の土地を守ろうとする未亡人、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを気に入った子供達、未亡人の事を好きな地上げ側に加担する保安官等、ちゃんと人物のドラマを見せている。ただ、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが未亡人としてしまうので、折角それまで煮え切らない微妙な関係を見せていた二人の関係が結局はメロドラマになってしまうのが勿体無い。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムは、まだ33歳で若々しく、顔に活気がり、結構凛々しい。筋肉を見せる場面が無い様な内容なので、無駄に湖で全裸を見せつけながら水浴びしたりする場面も。
息子役のキーラン・カルキンって、名字からも分かる様に、マコーレー・カルキンの兄。顔も似ている。

それとこの邦題「ボディ・ターゲット」って全く意味が分からない。ジャン=クロード・ヴァン・ダムが奥さんの体を狙っていた…って事?この映画の雰囲気と全然違う単なるB級アクション映画に思ってしまう。

後年の至って王道的な、大した事の無い中身の無いB級の出来の良くないアクション映画が中心のジャン=クロード・ヴァン・ダム映画を知っていると、この映画はそれらとは一味違い、真面目にドラマをしている事によって中々出来の良い映画と思ってしまう。ジャン=クロード・ヴァン・ダム的には、こういったドラマよりもアクションで暴れまくりたいのが我慢出来なかったからに加え、興行的にもアクションの人になってしまったのだろうけれど、こういう路線のジャン=クロード・ヴァン・ダムもあったかもしれないと思うと、この映画を見ていると変な気持になって来る。

☆☆☆★★

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