ダブルチーム

2013年12月14日 土曜日

ツイ・ハーク監督、ジャン=クロード・ヴァン・ダムデニス・ロッドマンミッキー・ローク共演の1997年の映画「ダブルチーム(Double Team)」。

CIAを引退したジャン=クロード・ヴァン・ダムが仇敵が再び活動し始めた事を知り、自分も活動再開するが失敗し、孤島の秘密組織に入れられてしまう。

監督ツイ・ハークはだし、出演陣を見ても、演出や機械類等々、1990年代の臭いしかしないアクション映画。
訳が分からないのは、作戦失敗したから軟禁状態の元諜報員達の情報提供軍団に入れられるという所。大した情報を引き出す訳でもないのに作戦を失敗したからと言って元諜報員達を何故こんな扱いにしているのかも分からないし、彼らの所にいる間のジャン=クロード・ヴァン・ダムは延々と体を鍛え、おっかない顔でムッキムキの体を見せつけるだけのPVの様だし、その後ずっと見ていてもこの組織自体登場させる必要性は無いしで、グッチャグチャ。
アクションは別にそれ程でもないけれど、途中でケース内蔵マシンガンという「デスペラード」みたいなギミック銃や、足の指でナイフ挟んで蹴り技繰り出すアジア人とか、行き成り話の流れとは全く関係無い事を出して来て、おもしろいけれど何のこっちゃ。最後の闘技場で虎に追っかけ回されるジャン=クロード・ヴァン・ダムとか、バイク乗り回していたのに何時の間にか上半身裸になっているデニス・ロッドマンとか、始めから上半身裸でちょっと猫パンチ繰り出し、自分の仕掛けた罠に引っ掛かる間抜けでしかないミッキー・ロークとか、何じゃこりゃ?コロッセオが吹っ飛ぶ程の爆風と炎を出す地雷に、その爆発を飲料水の自動販売機で防ぐのも何じゃこりゃ。見た目の勢いだけを重視してしまい、もう訳が分からない。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムは90年代前半にあった輝きはすでになく、アクションはそれなり、演技は感情が表に出ない何時もの感じ。ただ、顔のアップで、両鼻の孔から思いっ切り鼻毛が出ているのはどうなのよ。それに途中に何度も顔がはっきり映らない場面があるので良く見てみると、別人のスタントマンっぽいし。
デニス・ロッドマンは、まあデニス・ロッドマン。出て来る度に髪毛の色が違う派手さ。映画としては初出演。この映画が1997年だから、ちょうどWCWnWoで出た時か。まさにイケイケな時で、主演の相手役に抜擢か。
ミッキー・ロークは哀しみを持った渋い悪役…だったはずが、最終的に全然見せ場も無いまま間抜けな敵で終わってしまい、折角のミッキー・ロークが勿体無い。ジャン=クロード・ヴァン・ダムはきっちり足技で戦うけれど、ミッキー・ロークはもちろんパンチが主体で繰り出される猫パンチ。

これ、吹き替え版で見たけれど、全員に違和感。ジャン=クロード・ヴァン・ダムは大塚芳忠だったけれど、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの吹き替えは同じ大塚だけれど大塚明夫の方が印象的が強く、調べてみると大塚芳忠が多いけれど特に一定している訳でも無く、山ちゃん事山寺宏一もしてたりと不定。有名俳優で「彼の吹き替えはこの人!」というのが定まっていないのも珍しい。デニス・ロッドマンは大友龍三郎で、本人よりも大分低い声であんまり合っていない。ミッキー・ロークが池田秀一で、物凄い爽やかミッキー・ロークになってしまっている。

演出が古臭いのはしょうがないとして、何じゃこりゃな脚本はどうにかならんかったのか…。折角、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、デニス・ロッドマン、ミッキー・ロークという、90年代後半でのB級の大きな名前が揃っているのに。

☆☆★★★

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