ジャン=クロード・ヴァン・ダム ザ・コマンダー

2013年12月13日 金曜日

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の2005年のビデオ映画「ジャン=クロード・ヴァン・ダム ザ・コマンダー(Second in Command)」。

内乱状態の某国で大統領が亡命する為にアメリカ大使館にやって来たが、反乱軍が攻撃を仕掛けて来たので立て籠もる事になってしまう。大使館にいた一人の軍人が反乱軍と戦う事になる。

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演だから、かつての様なスーパーヒーローのアクションモノかと思いきや、多くの市民と少ない兵士と少ない武器で立て籠もり、増援部隊が来る数時間の間、敵の攻撃をどう凌ぐかという限定された状況の中での部隊の司令官としての役回りで、スーパーヒーローが一人で何でもして解決してしまう訳でなく、現実路線の戦闘で結構おもしろい。始まりは、その地域の政治状況と、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの人物紹介と何でそこにやって来たかを、その地で取材している人達に行き成り話させる説明台詞から始まり少し心配になり、行き成りの襲撃によるジャン=クロード・ヴァン・ダムのちょっとのアクションという、非常に分かり易い構成で「やっぱり、そんな感じか…。」と思っていたら、その後は立て籠もるけれどノンストップの展開で、緊張感とどうなるかのワクワク感があり、ジャン=クロード・ヴァン・ダムモノとしては意外とと言って良いのか、楽しい。政治的に混乱している国の大統領の脱出作戦や、無茶な脱出を計画するCIAの同僚だったり、そこにワラワラと湧いて来るかの様に攻めて来る敵と、王道ではあるけれどなかなか良く出来た設定で、陽動作戦と煙幕張って部隊展開させ人質救出とか、敵の真ん中に急に現れて銃を撃てば同士討ちを始めるとか、、話的にも見せるし、映像的にも見せる。
ただ、内容的にもそうなんだけれど、映像は淡い茶色で、手持ちカメラで映し、時々人物に急に寄ったりと、何だか「24」的。主演がキーファー・サザーランドだったら、完全に「24」な展開と映像。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムは常に焦らないし、動じない。自動車が引っくり返されられ敵に囲まれても、目の前で爆発が起こっても、全然動じない無敵の人物。ただ、この映画ではジャン=クロード・ヴァン・ダムが目立つ程の活躍がある訳でも無いので、別にジャン=クロード・ヴァン・ダムでなくてもと思ってしまう。彼の1対1のアクション場面もある事にはあるけれど、一人だけの別カットやスローモーションの多用で、それ程アクションをしていない事を補っている感じは強い。

分かり難いのは、通常の物語のカメラとは別にTVリポーターのカメラがあり、そのカメラでの粗い映像も入るのに、更に別の同じ様な粗い映像が入って来るのだけれど、その映像が映しているのは明らかにTVリポーターのカメラが映せない別カメラからの映像なのに、それを映している別カメラの存在は無い事。演出のいい加減さなんだけれど、折角の演出なんだから、もう少し丁寧に作ろうよ。それ以外にも、真昼間なのに銃の先に付いたライトが点灯しているけれど次のカットになると消えていたり、特に遮蔽物の無い道の真ん中真っ直ぐ走って行っても弾は当たらなかったりして、適当な部分と都合の良さが見えてしまう。そこら辺は始めはいまいちなんだけれど、立て籠もり後は話で引っ張るのであんまり気にはしなくなる。

それとこの邦題、ジャン=クロード・ヴァン・ダムは司令官(Commander)ではなく、司令官亡き後を継いだ副司令官(Second in Command)だから、「ザ・コマンダー」じゃあ、変。

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演なので、かつての彼一人がガンガンと敵を殴り、蹴り倒して行くアクションモノを期待すると肩透かしを喰らうと思うけれど、「どうせ、ジャン=クロード・ヴァン・ダムだからアレなんだろう…。」とハードルを低くして見ると、結構見せる戦闘モノで、話的にも映像的にも非常に楽しめ、この意外性もあり、なかなか良いじゃない。

☆☆☆★★

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