弾突 DANTOTSU

2013年12月09日 月曜日

本国アメリカではDVDビデオだけのVシネマ(Direct to video)だったけれど、何故かスティーヴン・セガール人気が高い日本では「芸能生活20周年記念作」として劇場公開された、スティーヴン・セガール主演の2008年の映画「弾突 DANTOTSUPistol Whipped)」。

元刑事は今では酒に溺れ、賭け事で身を潰し、家族も去ってしまった。そこに謎の組織が現れ、借金の帳消しの替わりに彼に仕事を押し付ける。

これまで何度も見て来た様な、過去に何かを抱えた元刑事というスティーヴン・セガール。彼が何時もの様に悪役に偶然出会い問答無用で殴り倒す…訳でもなく、依頼された暗殺相手を気付かれるだろうという結構近い距離で観察して暗殺に励む。その暗殺も、初っ端から周りに大勢人のいるレストランで銃をぶっ放すとか、スティーヴン・セガールは顔がバレているのに関わらず何故か捕まらないとか、街中で銃撃戦をするのに相手は複数、スティーヴン・セガールはハンドガンで少しずつにじり寄りながら撃つだけで、誰にも弾は当たらないまま銃撃戦は終わってしまうとか、撃たれる人物はやたらと前に出て来る、突っ込んで来るとか、何じゃこりゃな盛り上げ場面がチラホラと挟まれるだけで、毎度のどうでもいい感じの映画。
ちょっとおもしろいのは、この劇中のスティーヴン・セガールは自分の事を少し出して描いている事。仕事が忙しく別れた娘と上手く時間を作れないとか、アジア系の女性に「韓国語か。日本語出来る?俺も喋れる。」みたいな台詞があったり。この娘役のリディア・ジョーダンがちょっと藤谷文子に似ているのだから、製作にも入っているスティーヴン・セガールが何か押したのかも。それに加え、この娘がやたらと父親思いと言うのがスティーヴン・セガールの嫌らしい所。
一番の見所は、何時もはその太った体型を隠す為に長いコートやダボッとした詰襟の服ばかりのスティーヴン・セガールが、自分の家では薄い紫と緑色の半袖の開襟シャツを着ている所。ダサい普通の太ったおっさん。そういう役だけれど、顔の下半分の肉付きが凄い。ボチャボチャ。

そのスティーヴン・セガールは娘を想う堕落した男で、善と悪の間で悩むという人物なんだけれど、折角の役も何時もの見慣れたしかめっ面で何が演技なのか分からないスティーヴン・セガールでしかなく、何をしても似合わない。アクションも近年の省エネアクションに磨きがかかり、動きが鈍い、迫力が無い、何だったら動きもせず、カメラの動きと編集で見せるだけの毎度のセガールアクション。
謎の組織のボス役でランス・ヘンリクセンが出ているのだけれど、歳が行って髪の毛真っ白に驚いた。以前から老けてはいたけれど、もう70歳過ぎているのか。それにしてもスティーヴン・セガールとの共演は何か変な違和感。

何時ものスティーヴン・セガールの役柄と演技とアクション。どちらに付くかとか、誰が信用出来るのかとか、話的には結構おもしろいだけに、スティーヴン・セガールが全てを駄目にしてしまっている感は強い。謎の組織のボスのランス・ヘンリクセンやその手下、友人で娘の新しい父親でもある相手とか、周りの個性が強く、スティーヴン・セガールが一人埋没した感じ。

☆☆★★★

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