新選組始末記

2013年11月14日 木曜日

三隅研次監督、市川雷蔵、若山富三郎、天知茂共演の1963年の時代劇「新選組始末記」。
子母澤寛の小説「新選組始末記」が原作。

道端で斬り合いをしているのを見つけた山崎烝は、目の前で死んだ新選組隊士の形見を新選組に届ける。そこで出会った近藤勇に惚れ込んだ山崎烝は新選組に入る事に。山崎烝は新選組なら単に武士として真っ直ぐ生きられると思って入隊したが、新選組の内情は各人の欲望を満たす為の権力闘争と殺し合いばかりで悩み始める。

市川雷蔵演じる山崎烝の目を通して見る新選組の内情を描いた映画。新選組に興味があれば、山崎烝が主人公で新選組の内情を描いているのは興味があるのだろうけれど、わたしは新選組に興味が無いし、良く知らないので、延々と内輪揉めを見せられ、何かあれば「斬れ!」と言って殺し合うだけではおもしろくは無い。山崎烝が主人公なはずなのに、どうしても話的に若山富三郎演じる近藤勇や天知茂演じる土方歳三の方が中心になって行くので、段々と市川雷蔵が脇役的な感じになって来るのも何とも微妙な構成。最終的に市川雷蔵は、今までの話の悩みの結末を見せず、モヤモヤしたまま何も変わらないというまま終わってしまい、何だか中途半端な感じだし。結局、この後の新選組を知っていないと投げっ放されたままに感じてしまう。

話自体はいまいちだけれど、やっぱり目を引くのは市川雷蔵。今回の山崎烝役では若い浪人で、顔付きも若い素朴な感じで他の映画での顔とも違い、市川雷蔵の役毎の役作りとその成り変わりは流石。
それに若山富三郎も天知茂も濃い。やっぱり天知茂はニヒル。若山富三郎も渋くて良いけれど、見た目は西郷隆盛みたい。

気になるのは、日本各地から集まった新選組の人々や、武士ではない人々も何故か皆江戸弁的な時代劇口調。なのに京都の女性は京都弁。物凄い違和感。

この映画、市川雷蔵は悪くないし、他の共演者も濃くて良いのに、主人公が結果何にも至らない内輪揉めを延々と見せられても退屈。これって新選組に興味がある人ならおもしろいのだろうか?

☆☆★★★

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