スパイダー パニック!

2013年10月23日 水曜日

デヴィッド・アークエット主演の2002年の映画「スパイダー パニック!(Eight Legged Freaks)」。製作総指揮にローランド・エメリッヒが入ってる。

金が枯れた金山がある田舎町で、何かの産業廃棄物に汚染された餌を食べた蜘蛛が巨大化し人々を襲い始める。

やっぱり微妙なのは、これまでの大作、王道なパニック映画やモンスター映画の文法をきっちり守った非常に既視感のある、既視感しかない構成ばかりな事。まず序盤は、何故蜘蛛が巨大化し、凶暴化したのかの説明と、町の置かれた状況や登場人物の背景を非常に説明的に見せ続けるのでクモは余り見せず、「何か変だぞ…」位の振りらしい振りばかりで進み、ちょっと飽きて来る。やっと徐々に蜘蛛が活動し始め、始まってから40分位して本格的に蜘蛛が襲い始める。パニック映画としてはダラダラとした感じで始まり、盛り上がるのが中盤からと、非常に掴みが不味い。そんな人物の背景とかは、まず蜘蛛が暴れてから徐々に盛り込んで行かないと飽きちゃう。
それにお約束が多過ぎで白ける事。まずはクモは動物から襲い、次は無茶する若者ときっちり徐々に襲う。その割に後半はもう皆殺しになるんだけれど。他にもタンクローリー車が急に出て来たと思ったら、きっちり横転して爆発したりと、非常に分かりやすい。この手の子供向けでもあるパニック映画だと、必ず事実を知る賢い子供が登場するけれど、まあ見ていてもむかつくだけだよなぁ。あっさり無残に殺されて、残された家族が悩み続けるけれど何も救いが無いまま終わるとか絶対無くて、見え透いた展開。更に吹き替え版で見ていたら、この子供の吹き替えが矢島晶子で、矢島晶子の野原しんのすけ以外の子供声って何聞いても凄いイライラする。ただ、しんちゃん以外の声の変化と演技は凄い。

この巨大化モンスターって、爬虫類だと普通に見れるのに、実際に存在する昆虫が巨大化すると、「外骨格の節足動物があれだけ大きくなるのは流石に無理だろう」とか、「あれだけ巨大化すると、あんなに早く動けないし、動いたら関節から千切れるだろう」とか、普通に考えてしまうので、まあ乗り切れない事。

蜘蛛が巨大化して人を襲うだけの映画で、それ以上でも以下でもないけれど、これを企画してちゃんと映画として出来上がるだけの土台や需要と供給がアメリカに存在するのが凄くて、そこに関心。この映画3000万ドルの予算で世界中で4586万ドルの興行収入上げて、更にビデオ化等で稼いでいるのだから素晴らしい。3000万ドルと言ったら、日本の映画で製作費30億だと超大作にもなり、この興行収入なら大ヒット。逆に言えば、邦画の娯楽大作はこの映画にも製作費や興行収入で負けているという事になってしまう。内容はともかく、商売としては正直この映画馬鹿に出来ない。

☆☆★★★

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