OK牧場の決斗
2013年10月14日 月曜日ジョン・スタージェス監督、バート・ランカスター、カーク・ダグラス共演の1957年の西部劇映画「OK牧場の決斗(Gunfight at the O.K. Corral)」。
保安官ワイアット・アープは寄った町で偶然出会った一人の賭け事師ドク・ホリデイが殺されそうになる所を逃がしてやる。ワイアット・アープとドク・ホリデイは本来なら対立するはずが、お互いに助け、助けられたりと、友情なのか何なのかの二人の関係が描かれる。
真面目で保安官稼業を遂行し続け、クラントン一家を追い詰めるバート・ランカスター演じるワイアット・アープと、奔放に生きているけれど病を患い無軌道に生きるカーク・ダグラス演じるドク・ホリデイ二人の物語で、「OK牧場の決斗」という題名に期待する様なバンバン撃ち合う西部劇でも無い。途中にも撃ち合いはあるけれど、「銃は無しだ」と言っておきながら、挑発しまくって撃たないとか、スカしまくるので話が全然盛り上がらない。
それに主役二人共何がしたいのかが分からない。ワイアット・アープはクラントン一家を捕まえたくてウズウズしているけれど、ドク・ホリデイに対しては何を思っているのか、友情を感じている風にも見えないし、友情を感じるのだったら何が要因の友情なのかも分からず。一方のドク・ホリデイは、ワイアット・アープが自分をかまってくれるから付いて回っている感じだけれど、大元の目的が何なのか描かれずで、何がしたくて行動しているのか分からない。二時間以上かけて、ほとんど銃撃戦も無く二人を描いている割に、二人の思いや行動原理が見えて来ないと言う締まりの無い脚本。両人共争いを避けたいと説明はあるにも関わらず、両人共やたらと挑発して相手を攻撃させようとするし、保安官のワイアット・アープでさえ撃ち殺して終りとか、結局どちらもヤバい人にしか見えない。
なんと言っても、この当時のしょっぱいセットでの撮影が台無しにしている。実際の外での撮影から、扉を開けて屋内に入ると天井は見えず、ガンガンに照明を当て、シットコムの様に手前一面の壁が無く、そちら側からの撮影しかない映像ばかり。屋内の場面になると途端に安っぽく、作り物感が半端無くなり、見ていても白けまくる。野営している所なんか思いっ切りセットで、一番初めの「スタートレック」や「新スタートレック」の初期の上陸した惑星みたいな安い感じ。外の撮影でも、夜の場面はちゃんと夜間撮影もあるのに、昼間にカメラの絞りを絞って暗くして疑似夜にしている場面もあり、統一感の無さにも撮れる時に撮ってしまう早撮りの安さを感じる。
それに途中に入る、主題歌に乗せてその時の場面説明や登場人物の心情を歌うという演出が非常にしょっぱい。ああ、如何にも昔の映画…。
この映画、違う性格、考え方、行動をする二人を見せているのに、全然二人の思いや行動を描き切れていないので、見ている方は「?」が多く置いて行かれてしまう。二人の描きが少ないので終盤まで何がしたいのかがはっきりしないのでグダグダしている感じは否めない。最後の決闘も盛り上がりに欠け、二人の関係も何だか良く分からないままヌルッと終わってしまうので、おもしろくなる要素が多くあるのに、それをことごとく潰してしまい結果のノッペリと味気の無い時代劇になってしまった感じ。
☆★★★★