赤い影法師

2013年01月12日 土曜日

大川橋蔵主演の1961年の時代劇「赤い影法師」。

時代は徳川家光の時代。旅芸人の大川橋蔵は石田三成の娘である母親と一緒に、将軍家に対する復讐の為に名刀を手に入れようとして剣豪達を襲う。

漫画的な展開と、馬鹿みたいな忍者の飛んだり跳ねたり、すっごいベタベタな時代劇で非常にしょもない。テレビでの張り切ったヘンテコアクション時代劇と近い感じがする。始まりからして、行き成り忍者が現れ、流石に魔法みたいな忍術は使わないけれどワイヤーアクションで飛ぶ様に跳び、その忍者が女性と分かると追っていた武士が欲情して手籠めにしてしまうと言う、苦笑してしまう展開。
やたらと将軍の前での剣豪達による御前試合があるのだけれど、これが盛り上がる前に勝負を止めてしまい、単に大川橋蔵が襲う相手が何だか知らないが凄いという説明の為のフリでしかなく、長々とする話でも無いのに長々と、何度も出て来て飽きて来る。特に盛り上がる訳でもない剣豪達の試合に加え、目的がはっきりしないまま相手を襲い、剣先を切っては盗み、それを拾って来る母子と、見ている方は置いてけ堀のまま勝手に話は進んで行く感じ。
しょっぱさを引き立てるのは、皆の化粧は眉毛が不自然な程濃く、目張りバリバリ、着物は派手派手、皆の演技は「~じゃ。」と言う様な時代劇的作り物感、時代劇演技バリバリな嘘臭さがあるからか。

大川橋蔵と一緒にいる女性、木暮実千代はてっきり奥さんかと思ったら、母親でびっくり。実年齢10歳位しか離れておらず、大川橋蔵32歳で十分おっさんなのに、ちょっと年上の人が母親なんて相当無理がある。

本格時代劇を期待して見ると肩透かししかない。これ以降にあるような、TVドラマでの時代劇の乗りで見ればそれなりな映画なのかもしれないけれど、映画として見ると剣劇は寸止めばかりで全く盛り上がらないし、話も石田三成の孫が柳生十兵衛の子の復讐譚で、漫画ならまだしも真面目に時代劇の物語として見るのは大分キツイ。おもしろくなる設定なのに、常に地味で退屈さが漂ってしまい、もっと何転もする話で、もっとガンガン攻めるチャンバラじゃあないとおもしろくはならない。

☆★★★★

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