牝猫と現金

2012年12月02日 日曜日

1967年のフランスの犯罪サスペンス映画「牝猫と現金(Fleur d’oseille)。」

一人の強盗が殺され、残されたその強盗の妻が金の在り処を知っているはずだと強盗の仲間から付け狙われる。

映像は結構凝っている。短いカットで切り替えしを早く繋ぎ、一カットで寄ったり引いたり、印象的な物のアップのカットを入れたりと非常に小気味が良い現在的な編集の演出。
そこの映像的には見せるのだけれど、話の展開的には60年代フランス映画的とでも言うのか、結構まったりしている。サスペンスなのにキビキビとした展開ではなく、物語の展開は遅く、主人公が施設の外に出てからは女二人のお気軽なロードムービーで、非常にほんわか、まったりして、金を巡るサスペンス映画という事をすっかり忘れてしまう内容。主役二人が裸で水浴びを始める場面は、最早何のこっちゃ。更に追手も極悪人でもなく、金は欲しいはずなのにマゴマゴとしていて、何がしたいのかさっぱり分からない。
最終的に銃撃戦もあるのだけれど、これがまた中々決着を付けずにグダグダと続き、さっぱり盛り上がらない。
また、場面転換で一々状況や登場人物の感情を説明する謎の男の台詞が入り、ハードボイルドな犯罪小説の雰囲気を出してはいるけれど、これが結構うっとおしい。別にこれが必要でも無く、何度も入るのでしつこい。

始まりは銃撃戦から、序盤は各所からの脅しが入り、サスペンスとしての雰囲気は高めて行くのに、中盤からは特に何かある様な展開でなくダラダラして来、非常にダレ、どうでも良くなり、退屈して来る。この尻つぼみ感はやっぱり脚本の拙さ。

☆☆★★★

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