フレンチ・コネクション2

2012年11月22日 木曜日

前作「フレンチ・コネクション」は全然おもしろくはなかったけれど、当時の世間的には評価が高く、四年後の1975年に作られた続編「フレンチ・コネクション2(French Connection II)」。

前作の主人公ジーン・ハックマンが、証拠集めもせず、勘による尾行と銃をぶっ放し殺すだけだったので、主犯には証拠不十分で逃げられ、今度はジーン・ハックマン自らフランスに乗り込み一作目の敵を捕まえようとする。

前作は脚本はお座なりで退屈だったけれど、ジーン・ハックマンとロイ・シャイダーのハードボイルドなバディ・ムービーとして二人の人物が立っていたのに、今回はジーン・ハックマンのみでロイ・シャイダーは出て来ず、前作の唯一良かった所を続編では放棄。
話も、前作が追い駆け回し、逮捕後の起訴とか考えもない、ただ無謀な刑事の行動だったので、そりゃ釈放になるわな無常さが受けたはずなのに、それの話を必要も無いのにわざわざ補完する為だけに作られた感じがありあり。しかも、その逮捕劇の本筋は何処かへ行き、ジーン・ハックマンが麻薬を無理矢理打たれ中毒になるという話ばかり。何か、ジーン・ハックマンが一味違った苦悩する人物を演じたかっただけの様な気がして来た。
ジーン・ハックマンは、その薬物中毒にされてからの復讐はよく分かるけれど、それ以前の一作目でどうしてそこまで追い続けるのかが一切描かれず、今作でもフランス語が話せないのにわざわざフランスまで来る執念が分からない、前作同様の人物の背景の無さの脚本のお座なり感は同じ。何より、序盤でフランス語が通じないので酒一杯の注文も苦労するというやり取りを五分以上に渡ってしつこく見せ、だったら辞書や手引書買ってフランス語話す努力位したらどうなのという考えすら無く、ただ町を歩き回り、本気で捜査する気があるのかさえ分からない。ジーン・ハックマンの個性と演技で濃さはあるのに、人物の薄さったらない。

フランスに馴染めないという部分ばかりで話は進行し、本気で捜査もやる気があるのか分からないので、全然集中して見る様な話でもなく、中毒の展開も非常にもっちゃりし緊張感や恐怖感はなく、引っ張り過ぎな展開で退屈。起訴出来なかったから、今度はちゃんと証拠を集めて…とはならず、とにかく走って追いかけ、撃ち殺して終わりって馬鹿みたい。前作の良い所は捨て、単なる行ってしまった刑事がフランスで薬中にされたから復讐の為に暴れ回るって、21世紀のビデオスルーばかりなスティーヴン・セガールの映画みたい。

☆★★★★
 
 
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