メダリオン

2012年11月06日 火曜日

ジャッキー・チェン主演の2003年の映画「メダリオン(The Medallion)」。

香港の警察のジャッキー・チェンが蛇頭を追い駆けている中で、彼らが不思議な少年を追い駆けている事を知り、少年を助けようとする。

映画の始まりからしても、エディ・マーフィー主演の映画「ゴールデン・チャイルド」っぽいけれど、超自然的な力も登場し、話が進むにつれてジャッキー・チェン版「ゴールデン・チャイルド」の様相を呈して来る。そして何が何だか分からないハチャメチャファンタジーに突入し、見ている方は置いてけ堀のまま終わってしまう。
香港・アメリカの合作映画なんだけれど、ジャッキー・チェンがハリウッドに行ってから強くなったファミリー・ムービー傾向がこれでも強く、分かり易い演出とすべりまくるコメディで、いまいち感は強い。バンバン銃は撃つけれど、撃ち殺される場面はほぼ無いし。
ただ、ジャッキーのアクション場面は結構多め。そのジャッキーアクションは満載なのだけど、香港時代なら生身でしていた飛んだり跳ねたりをワイヤーの補助を使ってしている。しかも、歳を取ったからなのか、ワイヤー使っているのに結構重たい感じが。

こういう映画に整合性とか求めても仕方ないのかもしれないけれど、始め悪党達は押し入って無理矢理少年の所へ来ていたのに、次の場面ではもう少年を拉致していたり、安易に少年とメダリオンが何なのか分かったり、何故か香港からアイルランドへ移動し、中盤以降ロケーション地はアイルランドの古城になり、雰囲気は行き成り西洋ファンタジーになったり、それまで普通のジャッキーの肉体派アクションだったのに、後半はワイヤーアクションバリバリの中途半端な香港武侠モノアクションになるし、雰囲気は滅茶苦茶で前後半の乖離は激しい。。特に気になるのは復活後のジャッキーの服。ジャッキーが撃たれたり、刺されたりしても肉体がすぐさま回復するのは分かるけれど、彼の服も穴は一切開いていないのは単なるCG処理の手抜き。

香港映画の雰囲気が強いからか、香港映画でよく感じる、欧米人俳優が何か安っぽく感じられるのがこれでも。

笑ったのは、初めの方の香港の街での撮影で、街の中の看板に「貴花田」という看板があった事。「日式」と下に書いてあったので、知っている、見かけた単語で店名にしたのか。

これで成程と思ったのは、振り向いた瞬間に敵対する二人がお互いに近距離で銃を構え、身動き出来ないという良く見た場面の解決法。ジャッキーは構えた銃を45度内側に向け、相手が驚いた瞬間に相手の銃を撃ち、落とさせるというモノ。これは新鮮な解決方法だった。
あと、ジャッキーが素っ裸で歩き回る場面があるけれど、この時のジャッキーは50歳で、その肉体は流石な鍛えっぷり。ムキムキだけれど、所謂ボディービルダー的な肉体ではなく、アクションをする為の実用的な体か。

一番重要なメダリオンを持つ少年は意識薄弱の様な顔で全然存在感は薄いし、ジャッキーの相棒のリー・エヴァンスはコメディーリリーフなのに全編滑りまくってるしで、脇も弱い。

話も前半は警察モノだったのに、後半はファンタジー色一杯で、ジャッキーが痛いけれどすぐさま回復するウルヴァリンと強靭な肉体と力のキャプテン・アメリカに高速移動のフラッシュを足した様なヒーローになり、同じ力を持ったスーパーヴィランと戦うスーパーヒーローモノに。それに合わせてアクションも前半と後半で全然別物。雰囲気も香港とアイルランドで全然違うし、前後半の断絶感が物凄い大きい。
映画としても、ジャッキー・チェンの映画としても微妙。

☆☆★★★

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