ボディ・ダブル

2012年05月09日 水曜日

ブライアン・デ・パルマの原案・脚本・監督の映画「ボディ・ダブル(Body Double)」。

売れないハリウッドの映画役者が、覗きをした為にその覗き相手の女性の事を急に心配になり、彼女を追い出すと何か危険な事に巻き込まれて行くサスペンス。と言うかこれ、アルフレッド・ヒッチコックの「裏窓」。「裏窓」は良く出来た話と映像の映画だったけれど、これは何のこっちゃな安さと、もっちゃりし過ぎ感ばかり。サスペンスなのに、盛り上がるはずの場面も全く緊張感は無く、ノッペリし過ぎで、犯人は怪しい奴が出て来た瞬間に、その余りに特殊メイクな顔で分かってしまうし、この犯罪のトリックも犯人が覗いていた家に現れた位で分かってしまうし。
それに良く分からない展開ばかり。覗いていた女性のひったくられた鞄を取り返した瞬間に行き成り激しいキスをし出すのは、フリが一切無く全く意味の分からない展開。犯人が女性の家に押し込乱闘になる場面はもうコメディ。女性が後ろから首を絞められるけれど、後ろに倒れて犯人は気絶、女性は助かり、今度は犯人がドリルで襲うけれど、背中にちょっと当てて止め、またもや迫ると電動ドリルのコンセントが抜けて止まったり。一番の緊迫する場面なのに、笑かそうとしにかかるって…一体何なんだ?
試着室のカーテン少しだけ開け残してパンツ履き替えたり、捨てた使用済みパンツを、これからその本人が自動車で出て行くのが分かり切っているのに、まだいる本人の前でこっそり気付かれないように拾って行くとか、下品な話は一体何だと思ったら、彼女のパンツをポケットに入れているから警察に怪しまれるという為だけの、酷いフリ。

この映画って、ブライアン・デ・パルマがヒッチコックしたかったのと、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「Relax」のPV取りたかっただけの映画じゃないのかと思えて来る。ブライアン・デ・パルマって結構評価が高いけれど、今まで見た彼の映画ってどれも、安っぽい、小難しい様に見えて馬鹿っぽい内容、大上段に構えるけれど肩透かし感が強いモノばかり。

始まりのホットドックが買う場面で、この店見た事あるなと思ったら、先日見た「アニー・ホール」にも同じ店が映っていた。この店「Tail o’ the Pup」という店で、ロサンジェルスでは街を象徴する様なホットドックスタンドだそうだ。

☆★★★★

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