シューター:狙撃手

2012年03月20日 火曜日

題名からすると長距離射撃の暗殺者の話かと思ってしまうけれど、長距離射撃は一切無しで、スナイパーライフルでの銃撃戦は近距離での一回だけという、内容的にアレなので完全に「ザ・シューター/極大射程」の二匹目のドジョウを狙って邦題付けてるなと分かる映画「シューター:狙撃手(The Heavy)」。

全体的に洒落た、大人な雰囲気を出そうとしているのだけれど間延び感が一杯。グダグダとどうでも良い様な話ばかりで何がしたいのか掴み辛い話が続く割りに全然話が進まず、初めは何が起こるのかで見ているけれど、サスペンスなはずなのに全く緊張感は無いし、どうなるのかのワクワク感も無いので飽きて来る。結果の話は思わせ振りな割りに薄っい薄いしで、何だかなぁ…。それに序盤から、銃を使わない凄腕の借金取りとか、目を付けられている刑事がいるとか、家族がいたとか、親とは上手く行っていないとか、過去に色々あったとか、次々としつこい程丁寧な説明場面ばかりで、妙に安っぽい。それに色々と伏線や登場人物や因縁を出すのだけれど、結局大して本編に関連せず、時間を埋める為の脇道にしか思えない脚本。あの古い置き時計の話の振りは一体?更にアクションや銃撃戦は早さを出そうとしているにも関わらず非常に緩慢しか見えない。
主人公のゲイリー・ストレッチも映画に流れると同じく、凄いんだぞという雰囲気を出そうとしているのだけれど、見て行くと全くもって大した事無い感ばかりが目に付く。それにこの人、目が小っちゃい。渋さや寂しさを出そうとしても、何だか可愛らしい。
しかし、脇役はヴィニー・ジョーンズが出ていて、オリジナルのポスターだと主人公で出ずっぱりのゲイリー・ストレッチが端っこで小さく、ヴィニー・ジョーンズが中央で一番大きく目立っているという悲しい宣伝になっている。それに何故かクリストファー・リーが、全く必要の無い父親役で少しだけ出て来る。

これは見終わると何じゃこりゃな映画。雰囲気と思わせ振りな振りは観て行く内に、それが張りぼてとバレ、雰囲気番長まっしぐらに盛り下って行く。逆にこれで二時間近く良く引っ張ったとも…言えはしないか。一升瓶を出され、「今夜は飲むぞ!」と意気込んだら、中身はぬるま湯だったかの様な映画。

☆☆★★★

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