インストーラー

2012年03月19日 月曜日

フランスのSF映画って存在自体が印象が薄く、見た事あるのは「フィフス・エレメント」位。で、これはそのフランスのSF映画「インストーラー(Chrysalis)」。

雰囲気はあるけれど内容がうっすいと言う、わたしが抱くヨーロッパ映画の印象そのままの映画。
全体的に灰色がかった色調で、非常に抑えた映像で、しかし切り取った構図や前後左右に動かすカメラワークは印象的。10年後位先の近未来が舞台で、SF的小道具や、身なりや部屋の雰囲気等、洒落ていて、ちょっとバンド・デシネ的な印象があり、なかなか良い。だけれども話が何じゃそりゃ。主人公の刑事が何の理由で犯人を追っているのかさっぱり分からないし、全体的に何をしたいのか分からないままでモヤモヤする。中盤から出て来る記憶装置も今更なSFガジェットだし、全ての話が見え始めると俄然つまらなくなって来る。最後の急な展開、それもグダッとまとめる展開も何じゃそりゃ…。途中出て来る1対1の格闘場面は、功夫やその他格闘技を混ぜた感じで結構見せるのだけれど、二度程あるそれが長く引っ張り過ぎで、しつこくて途中で飽きて来る。
流れる空気は結構良いのに、扱う題材は使い古された記憶の操作で、それをこねくり回して見ている方の自我の不安を引き起こさせる事も出来るのにさらっと一ネタで流し、思わせ振りだけれど結果どうでも良い様な場面は引っ張り、雰囲気番長で話が全然それに付いて来ていない感じのする映画。

☆☆★★★

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