インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説

2012年01月14日 土曜日

一作目「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」に続きインディ・ジョーンズシリーズ第二作の「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(Indiana Jones and the Temple of Doom)」。

一作目は探検冒険映画として非常におもしろかったのだが、この二作目でいきなり方向性を見失った感じは強い。インディ・ジョーンズの何がおもしろいって、遺物を求めての謎の探求と謎解き、遺跡の仕掛けの掻い潜りといった冒険性が楽しいのに、この二作目はそれがあんまりない巻き込まれ型のアクション映画になっているからいまいち。始まりからして「007」みたいだし、登場人物も考古学者や大きな勢力ではなく、ギャーギャー騒ぐ歌手に子供に妖術使いと何だかこじんまりし過ぎで、過去へ思いを馳せる壮大感が無い。女性歌手と子供とのやり取りはうっとうしだけでおもしろくも何とも無い。宮殿までのこの三人の旅路が長く、ここがだれまくり。しかもこの三人でのやり取りではインディアナが全然イカしてない。コメディとしても、そんなにおもしろくない。そして子供が活躍すればする程どうでも良くなって行くのは何なのだろう…。
展開的にも後半の魔宮での冒険までが長いし、一作目の様にキビキビしてなくて緩慢だし、セットとか雰囲気とか話が安っぽい気がする。はまるはずの面白演出は外しまくりで滑りまくり。
これの一番嫌なのが、やっぱり虫。蛇やネズミの大群なら如何にも昔話っぽくて良いのだけれど、あの虫の大群はただ気持ち悪いだけ。どうしても、目を背け見ないか、早送り。この虫もそうなのだけれど不思議なのは、インディアのパーティーに子供もいて活躍し、脚本や演出的にも結構子供向けでもあるのに、気持ち悪い場面やエグさを強調する場面が多く、これ何処向けに作ったのだろうと疑問。

一番の見せ場トロッコの追撃場面は流石におもしろい。実際にアトラクションにするのも分かる。ただ今見ると結構ミニチュア模型を使っていて、それが丸分かりで、中に乗っているインディアナ達が人形でフラッフラしているのには笑ってしまったが。

続編、特にシリーズモノの二作目ってシリーズでも一番おもしろいという印象が強いのだけれど、これはパルプ雑誌的な古典の未踏地冒険モノになっているので、宝探しと謎解きが楽しいインディ・ジョーンズの方向性を見誤っている感じが。やっぱりインディ・ジョーンズは、考古学的な宝探しの部分と冒険モノの融合が楽しいのであって、これだと別にインディ・ジョーンズでなくともと思ってしまう。駄作とは言わないけれど、あんまりおもしろくない。

☆☆★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply