ヤングガン2

2011年12月28日 水曜日

「ヤングガン」に続いて題名からしてそのままの続編「ヤングガン2(Young Guns II)」。

一作目は本当につまらない映画だったが、続編のこの映画は一作目と比べると意外とおもしろかった。
やっぱり主人公のビリー・ザ・キッドは頭のおかしな目立ちがり屋の快楽殺人者で「なんじゃこりゃ?」だけれど、前回の様に仲間は彼に従う頭の悪い奴ばかりではなく、冴えない農民や子供もいて多様性は増しているし、仲間内の殺し合いにまで行きそうな揉め事もあり、敵に追跡者もいて物語にそれなりにメリハリがあり、西部劇としてそれなりになっている。
役者もエミリオ・エステベスキーファー・サザーランドルー・ダイアモンド・フィリップスは引き続きの出演で一作目よりも良い人物になっている。クリスチャン・スレータージェームス・コバーンヴィゴ・モーテンセンといった俳優も出ており、一作目よりも豪華。それに何と言ってもこの映画で一番目立ち、おいしいのはパット・ギャレット役のウィリアム・ピーターセン。出て来た瞬間は若くて痩せていて黒髪で気付かず「どっかで見た事ある様な…。」と思ったら、「CSI」のギル・グリッソムでお馴染みのウィリアム・ピーターセン。グリッソムの様に大人しく、力強い人物で、一番カッコ良く半分以上は彼が持って行っている。
ただ、話的や設定的に良く分からない事も多数。西部の無法者の時代劇だと思ったら、いきなり自動車走る20世紀初頭っぽい時代から始まって、この良く知らない時代感覚に惑った。また、登場人物達も結局何だったか分からない登場がやたらと多い。仲間の農民は特に活躍する事も無くそのまま終わるし、子供は何の為に居たのか分からない存在だったし、クリスチャン・スレーターも仲間で揉めたりしたのに結局フェードアウトの様な感じで目立つ事も無くいなくなったし、知事とか判事、ジェームス・コバーンも最後のボスっぽく登場したのに彼らも特に何も無く出て来なくなったしで、全作から脚本を書いているジョン・フスコの、設定を活かす訳でも無くとにかく放り込んでいる感はしょっぱいと言ったらありゃしない。それと気になったのは前作ではそんなに取り上げらる事が無かった銃の名人という設定が今回は良く出て来、実際狙いは外さない百発百中の凄い人物になっていて、それが急な感じばかり感ぜられ、しかもこの設定が銃撃戦で活かされる訳でもないという、やはりな脚本の拙さ。それに、足を撃ち抜かれたり、腕をナイフが貫通していたりしたのに、次の場面では普通に行動しているという、まるで「ジョジョの奇妙な冒険」の様な無かった事ぶり。

一作目よりも展開におもしろさが出て、話に深みを増して、役者や人物も良い感じになってはいるものの、やっぱり脚本のお座なり感は満載で、人物の使い方にしろ、話の展開にしろ、銃撃場面にしろ、もう少しどうにかならんかったのかとため息は出る所。

☆☆☆★★

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