ヒート

2011年12月14日 水曜日

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの共演で、やはり演技合戦が見所の「ヒート(Heat)」。

話は男臭く、真っ直ぐに突き進む大人な人々だけれども、女性に救いを安らぎを求めもする哀しさもあり、その俳優陣の演技も濃いく、静かに煮えたぎる感じ。
犯罪者と刑事の追跡、出し抜きのやり合いはむしろ大人しめで、両人の演技が「ヒート」なんじゃないかと思う位の顔の迫力と凄み。二人が直接会う場面は少ないが、追い駆け、追い駆けられで、両者が妙に通じて行くのがおもしろい。映画史的にも有名な白昼の街中での銃撃場面はとんでもない事になっていてたまらないが、それ以外は意外と地味なのだけれど、パチーノとデ・ニーロ、並びに脇を固めたこちらも濃いい俳優陣で退屈もせず、じっと見つめて三時間近くが一気に過ぎた。
主演の二人が圧倒的な存在感だが、彼ら以外の脇役にもヴァル・キルマージョン・ヴォイトトム・サイズモアアシュレイ・ジャッドナタリー・ポートマンウェス・ステュディウィリアム・フィクトナーダニー・トレホといった有名俳優から脇役で良く見かける人まで、こちらの濃さもねっとりと。「24」のデイビッド・パーマー大統領でお馴染みデニス・ヘイスバートや、メイソン支部長でお馴染みザンダー・バークレーも出ている。

気になったのは編集や所々の脇道の話。じっくりと話は進んで行くが意外と途中を端折った感じの編集で、間を飛び越した感が何回かあった。それに、デ・ニーロ側の人々の本筋以外の話を結構描くわりに、特に余韻も残さずあっさりと幕を引き、結局何で入れたのか分からない感じも。デニス・ヘイスバートの苦悩からの参加とか、特にナタリー・ポートマンの最後の出来事は入れる必要があったのか良く分からないまま、やはり後を引かずに終わったし。それに最後の主役二人の対決は、これまでずっと引っ張って来たわりにアクション刑事映画に有り勝ちな展開で、どうも最後にかけての盛り上がりに欠け、工夫が欲しかった。話的にも真っ直ぐ過ぎると言うか、もう少しのひねりがあってもと思わせる。

全編役者陣、特にパチーノとデ・ニーロの魅力を濃縮した映画で、話も、銃撃も、そして何より二人の顔が熱く濃い。男を渋く、濃く楽しむ為の映画。

☆☆☆☆★

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