ハッピー フィート
2011年11月30日 水曜日続編「ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊」が公開されるのでだと思うけれど、「ハッピー フィート(Happy Feet)」をしていたので見てみた。
CGは凄いが、話は全く好みではなく駄目で、極端に好みが出た映画。
まず急に歌い出し、踊ったり騒いだりするミュージカルの乗りが全く受け付けない。実写の他の映画でもそうだけれど、喋っていたのに歌い出したりすると一気に白けるし、イラつくのでまともに見なくなる。更に駄目なのは主人公マンブルのタップダンス。タップダンスを見ると「バカみたい…。」と、やはり一気に引くし、つまらないので見ずに違う事を始めてしまう。更に更に、始まりの生まれたばかりの子ペンギンが駄目。特にアニメーションの可愛らしさを前面に出した小鳥を見ると、ぶち殺したくなる症候群が引き起こされてしまう。
話は、このペンギン社会では障害となる歌が上手く歌えない、社会不適合者、異質な主人公がどう生きて行くかという、アメリカのアニメーションでは子供向けの風体でも結構入れて来る人生訓的な内容で、そこはなかなか良いじゃないかと思うのだけれど、そこはドンドン中途半端になって行く。世代間闘争も入れて来たり、そこだけでやっていれば良いのだけれど、最終的に南極のペンギンの生活環境と人間の開発の話になり、踊りがペンギン達のみならず、他の動物達も救うと言う、如何にもな説教話で、クソの様な締めになって行く。そして、賑やかに歌って踊って終わるという、わたしの嫌いな終わり方で締めるのだから、がっくり心が折れたまま。
話はあれ過ぎるが、ただCGは素晴らしい。氷、動物の皮膚や毛の質感、何と言っても動いたら動いただけ雪に足跡が残る細かさ、水面や雲の実写と見紛う表現、雪や水、水中での泡等のパーティクル。はっきり言って、登場動物の動きや会話、歌はあんまり見てなくて、景色とパーティクルばっかり見ていた。引きの景色の画は圧倒的迫力で、カメラワークやカット割り、CGなのでで激しい場面をワンカットで見せ切る映像、動物達がまるで個々で自由に動いている様な動き等、綺麗。
あと興味深かったのは、実写との合成。実写でCGを使うのは一般的だけれど、アニメーションで実写の人間を使うのは最近では珍しい様に思う。つい、「ロジャー・ラビット」を思い出してしまうけれど。
はっきり言って、わたしには歌と踊り、そしてほぼ話全てが余計だった。動物が一言も喋らずに、CGの景色やパーティクル等を見せてくれればそれで満足だったのに。まあ、それだったら実際のドキュメンタリーを見れば良いのかもしれないのだろうけれど、人間によって作り込まれた映像で、主張が説教臭くなく動物達の悲喜劇を見せる、子供は退屈するだろうけれど大人向けのアニメーション映画だって良いじゃないかとも思うのだけれど。
☆★★★★