アヴリルの恋

2011年10月18日 火曜日

非常に心地良いし、優しい映画「アヴリルの恋(Avril)」。

生まれてこの方修道院で暮らし外の世界を一切知らない修道女が、兄に会う為にこっそり抜け出し、未知の素晴らしく楽しい事に触れるお話。恋と言うよりも、知らない事物に出会う事によって変わって行く方が主題になっている。

主役アヴリルを演じるソフィー・カントンはそれ程綺麗な人ではないのだけれど、この映画の中の無垢で純朴な修道女という役柄もあり、仕草や微笑み等の表情が非常に可愛く見えて来、役に乗っている。周りの男衆も、ちゃんと上手く喧嘩しない様な人物設定になっていて、男前で優しい良い人が良く出ている。男3:女1の素朴で楽しく心安らぐバカンスは、見ていて本当に微笑ましいし、泣きそうになる。
淡々とした静寂の映画で、音楽を使わず見せ、その静けさがあるからこそ流れる音楽の意味が出て来るし、主役アヴリルが楽しさに触れ変わって行く様子が上手く表現されている。

本当に心地良い話なのだけれど、後半になると意外な展開が出て来、映画の持つ雰囲気が変わり、前半からそして設定上もキリスト教の流れなのだけど、最後の画と復活はそこに従ってもこの映画の流れからしたらちょっとやり過ぎ感があったのが残念。この映画の静かで何気の無い空気からしても、ただそのまま決意を見せればとても素晴らしいまま終わったのにとも思う。

夢物語的な優しく流れる時間の中で、心地良さを感じられる清々しい良い映画。

☆☆☆★★

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