DS9 6まで終わる

2010年02月10日 水曜日

「スタートレック ディープ・スペース・ナイン」の一気見も第六シーズンを見終わって、最終の第七シーズンを残すのみとなってしまった。

第六シーズンは、今まで積み上げてきた物が一気に爆発して、本当に、最高におもしろかったなぁ。
やはり見所は、第五シーズンでDS9から撤退して出て行ったシスコ達惑星連邦側と、侵攻してきたカーデシア・ドミニオン軍と不可侵条約をベイジョーが結んだ為DS9に残る事になったキラ達の、二方面にわたる何話も続く第六シーズン初めの一連の話。
この辺りでは、スタートレック王道の「奇奇怪怪な事件が起こって、さあ大変!」ではなく、戦時下の人間ドラマ、微妙な人間関係をずっと、じっくり描いて目が離せず、毎回楽しみだった。
凄いのは、大勢の登場人物それぞれが、ちゃんと大きくうねる話に生き生きと活躍している事。
レギュラー陣は当然の事、準レギュラーやお馴染みの顔ぶれを併せると、総勢20人位の人物達の群像劇がじっくりと進んで行き、ほんとに見応えがあった。
連邦側は様々な作戦行動をとるのだけれど、そちらよりDS9居残り組と新たなDS9支配側の静かな攻防の方が、話として、ドラマとしておもしろかった。
かつて植民地の司令官であったガル・デュカットを憎んでいたが、娘の事で少し見直し、そしてこの戦争で再びより強く憎しむようになったキラが、彼の娘ジアルを通して微妙にデュカットに寄って行く感じだったり、一方、デュカットはデュカットでキラに理解してもらおうと必死だったり、デュカットの副官のダマールはキラを嫌って何とかデュカットに認めてもらおうと走り回り、キラが一番信頼していたオドーが創設者と出会って本当に取り込まれたりと、盛り沢山の展開を毎回するもんだから、たまらない!
ここまで面白い人間ドラマなのに、スター・ウォーズの様な一大艦隊戦によるDS9奪還後の大軍との決着が、伏線も無い、まさにデウス・エクス・マキナで解決してしまって、がっくり…。
そこに至る道が、凄く、素晴らしかっただけに、最悪のパターン。

でも全体的に、大勢の登場人物達も、今までの設定を生かした話も煮詰まってきていて、上質の話が多い様に思えた。
特に良かったのが、137話の「夢、遥かなる地にて(Far Beyond the Stars)」。
いつもは異星人特殊メイクの人達が素顔で出てくるのもあるけれど、1950年代のSFパルプ雑誌製作人達の話を使い、ドミニオン戦争の現状や、当時の人種差別、DS9製作側の熱い思いまで、45分の間に作り込んでやってしまっているのに圧倒された。
ちゃんと偽ギャラクシー・サイエンス・フィクション誌まで作ってしまったり、アジモフや、C・L・ムーアっぽい設定になったレギュラー陣がいたりと、凝りに凝っている。
ここら辺りは海外SF小説に馴染みがあると物凄く楽しい所。
そして、最後はちゃぶ台返しになりかねないメタ・フィクションまで行くもんだから、DS9の攻めっぷりは気持ち良い。

「重い・暗い・地味」でお馴染みのDS9だけれど、むしろのコメディー要素が第六シーズンでも強くて、やり放題のヴィック登場だし、真面目にやればハード・ボイルドになってしまうクワークの話はお笑い方向の活躍も上手い展開だし、ワクワクの笑いと、にやける笑いがふんだん。
 
 
ああ、最後の第七シーズン26話が残るのみで、何だか見るのが勿体無くなってきた…。

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