シークレット ウインドウ

2022年09月09日 金曜日

デヴィッド・コープ監督・脚本、ジョニー・デップ主演の2004年のアメリカ映画「シークレット ウインドウ(Secret Window)」
スティーヴン・キングの小説「秘密の窓、秘密の庭(Secret Window, Secret Garden)」が原作。

小説家のモート・レイニーは人里離れた家で暮らしていたが、ある日見知らぬ男がやって来て自分の作品を盗んだと言って来た。
モート・レイニーは男が置いて行った小説を読んでみると以前発表した自分の小説と一字一句同じだった。
再び男が現れたので男にこの小説は何時書いたのか聞くとモート・レイニーの小説の発表よりも数年後だった。
モート・レイニーはそれを告げるが信じない男はモート・レイニーを徐々に脅し始めた。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので、ジョニー・デップのサスペンス?ホラー?と言う前知識位で見てみた。
なりそうな方向になり、結局そうなるよなぁ…で驚きは無く、それはそれでいいのだけれど展開がそこじゃないだろうという部分を見せるのがいまいちではあった。

オープニング・クレジットでスティーヴン・キング原作と分かり、小説家が見知らぬ男に脅されるって「ミザリー」とかのスティーヴン・キングっぽさ満開で、まあジョン・シューターがそういう事ね…は原作が1990年だから当時は成程と思ったかもしれないけれど今見てしまうと有り勝ちでそれ程おもしろくはなかった。

そこよりは描きの分量が気になり、モート・レイニーと男のやり取りは非常に長めに描くのだけれど、これが男がモート・レイニーを精神的にドンドンと追い詰めて行く様子を恐怖を持って描くかと言えばそうでもなく、非常にのっぺりとしていて怖さが無く、モート・レイニーが追い詰められて行く感が非常に薄い。
これは落ちが分かるとモート・レイニーがそう望んでいる部分があったから男とのああいうやり取りになったというのは分かるとは言え、落ちが分からない状態だと怖さが無いのでサスペンスやホラーとしては非常にぬるかった。
落ちにしても、その種明かしまでのモート・レイニーの精神状態の変化がぬるいので、そうですか…という感じで落ちが弾けないままで終わってしまい、やっぱりぬるい。

この話がおもしろくないと感じたのは何かなぁ?と考えたら、嫌な結末だからではなく結局モート・レイニーのオナニーショーを見せられた感があったからだと思った。
鬱屈したイライラをオナニーでぶつけて、モート・レイニーは一発抜いて気持ち良くなってめでたしめでたしだけれど、それを見せられてもこっちはどうすればいいんだろう?になってしまった。

それにジョン・シューター演じるジョン・タトゥーロが全然に印象に残らないのってわざとの配役なんだろうか?
ジョン・シューターが出て来て次の場面では既にどんな顔だった覚えていないって役柄としてはピッタリなのかもしれないけれど、逆に印象に残らないので役が凄く弱く感じられてしまって恐怖の対象なのにその恐怖感所か存在感すら弱いってどうなの?

一番気になったのは初めに出て来た家政婦の女性。
始めにモート・レイニーとのやり取りがあって役を立たせていたからその後に何か関わって来るのかな?と思ったら、それ以降全く登場せず。
別にいなくてもよかったのでは?

映像的には結構色々な事をしていて、実際の外での撮影を見せながら秘密の窓をくぐると家の中のセットへと移動するのをワンカットで見せていたり、鏡を使って色々な見せ方もしていて、特におもしろかったのがジョニー・デップが正面に見ている鏡にはジョニー・デップの後ろ姿が映っており、ジョニー・デップが正面のまま鏡に近づくと後ろ姿が近づいて来るというの。
こんなの初めて見た気がして、これのホラー感は非常におもしろかった。

この映画、話としては初めにキッチリ振った方向に話が行って振り通りに終わるので非常に真っ直ぐなので大しておもしろくなく、多分ジョニー・デップを見る映画なのかと思った。
ジョニー・デップって見た目的に変な人を演じる事が多い印象だけれど、こういう普通の人の方が全然良いと思ってしまう。
ただ、この映画ではサスペンスなのに結構コメディ的な演技もしているので、そこでも怖さが薄れていたのかなぁ?とは思った。

☆☆★★★

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