拳精

2021年10月21日 木曜日

ロー・ウェイ製作総指揮・監督、ジャッキー・チェン主演の1978年の香港映画「拳精(Spiritual Kung-Fu)」

少林寺で保管されていた七殺拳の武術書が何者かによって盗まれてしまう。
七殺拳は残酷過ぎる拳として少林寺では習得が禁止されていた。
七殺拳の武術書を手に入れたロク・チンは武林の総帥となるべく七殺拳を習得し、総帥候補の武術者達を次々と殺して行った。
七殺拳に勝てる五獣拳は存在していたが五獣拳の武術書は百年前に紛失して行方が分からなかった。
少林寺で修行をしていたイーロンは少林寺での幽霊騒ぎの中で偶然五獣拳の武術書を発見する。
幽霊だと思ったのは五獣拳の五人の拳精で、イーロンは彼らから五獣拳を学び始めた。

久々にジャッキー・チェンの映画を見た事もあり、まだ初期の若い時代なので、まず何よりもジャッキー・チェンがジャッキーちゃんに見えて仕方なく、常にニヤニヤ状態になってしまっていた。
ただ若い時のジャッキー・チェンだけあって流石に体も動きも切れ切れだし、五獣拳の龍・蛇・虎・鶴・豹の五種の拳を魅せる贅沢さに加え、棒術やトンファーを使い十八羅漢と戦ったりするのだからカンフー映画としておもしろい。

しかし、話自体はヘンテコで、てっきり七殺拳を巡る抗争や五獣拳を習得する修業等の真面目な話になるのかな?と思ったら、その後も何の説明も無い隕石?が少林寺に突然落ちて来て、それの影響で白塗りで赤髪で何も喋らず、通常は人間に見えない五人の拳精が現れ、この拳精の人間への悪戯が延々と描かれる。
これがおもしろいかと言えば別におもしろくはなくてしつこい。
その後は、何だかよく分からない少林寺の人々の暗殺が続き、それまでは結構真面目なイーロン対ロク・チンの戦いから、何だかよく分からない黒幕の発表後は五人の拳精も参加しての笑いのカンフーアクションになって終わると言う雰囲気が場面場面でチグハグで、良くも悪くも昔の香港映画。

ただ、敵との戦いの途中で師匠が「その技は?」と質問したら、ジャッキー・チェンが攻撃を止めて気を付けして説明しようとしたら敵にぶん殴られるというやりとりは、そりゃそうだろうで笑ってしまった。
それに、ジャッキー・チェンと五人の拳精の修業場面とか、一人で練習しているジャッキー・チェンを五人の拳精が寝っ転がって見ている場面とかは妙にほっこりもして好きだった。

この映画、アクションは結構おもしろいし、戦いを至近距離で撮影をしてカメラに手足が寄る映像とか、所々でおもしろい映像もあったりして結構楽しめた。
このカンフーとか設定だったら、何だかよく分からない五人の拳精出さずに武術書を読んでの修業にして真面目方向に持って行けば結構名作になったと思うのだけれど…。

☆☆★★★

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