狼牙 -ライジング・フィスト-

2021年10月23日 土曜日

ウー・ジン監督・脚本・主演の2008年の香港映画「狼牙 -ライジング・フィスト-(Legendary Assassin)」

ボーはある島のマフィアのボスを殺して島を出ようとする。
しかし台風で船が出ずに立ち往生するボーは偶然一人の女性警官と出会う。
彼女と食事に出かけた先で偶然犯罪者と出会い襲われるが、彼らを叩きのめして女性警官を助ける。
女性警官が勤務する警察署でボーは受け入れられるが、マフィアのボスの死体が警察に見つかり、怪しさからボーは警察に追われる事となる。

何となく香港のアクション映画だから見てみた。

話は本来敵対するはずの犯罪者と、彼を犯罪者とは知らない女性警官の恋愛が中心となっていて、如何にも香港映画的な哀しい感じの恋愛モノ。
だけれど、そこに派手なアクションを散りばめているというこれまた香港映画的。
これがおもしろいかと言えばそうでもなく、つまらないかと言えばそうでもなく。

恋愛部分も犯罪モノとしても偶然が多くて都合が良く、偶然二人が上手い事出会って、偶然出会った犯罪者と戦って警察の信用を得て、何故かほったらかしのままのマフィアの死体が偶然見つかったりとか、まあ話を回すのが主目的な偶然展開に、はぁ…と乗って行けず。
この見せ方だと初めの時点で主人公と女性警官が出会って、主人公は最後に死にそうだなぁと思えてしまうし。
それに突然警官が死んでしまったり、あれだけ警察署の人間の役を立てておいて、その後は全く登場しないとか、脇役の扱いが雑だし。
結局マフィアのボスの奥さんが日本人という謎設定も謎のままで何の意味があったのか…。

アクションはウー・ジンは中々良くて、足技中心で派手。
最後の主人公一人対百人とかはやり過ぎでおもしろかった。
夜の暗い中で雨が降っており、ワラワラと敵が襲って来るのって「マトリックス」とかを意識しているんだろうな。

アクションで気になったのは、この映画は膝大好きな事。
ウー・ジンの飛膝蹴りや両膝攻撃もそうだし、敵も膝をやられてガクガク状態だとほぼ死亡。
主人公も膝をやられると急に弱ってしまうとか、どんだけ膝好きなんだよと。

ウー・ジンは度々黙って棒立ちでいる場面があるのだけれど、これが何か笑ってしまった。
ウー・ジンが物凄くアンニュイで、戦う前の余裕感なのか何なのかよく分からず、ただぼっーと立ちすくんでいるだけの様に見えて、わたしには何故かおもしろく見えてしまった。

この映画、アクションに哀しい恋愛を足した香港映画で何か懐かしい感じ。
アクションは結構おもしろいし、派手なアクションを入れたVシネと思うと良く出来てはいるとは思った。

☆☆★★★

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