ギャラクシー・クエスト

2018年12月27日 木曜日

ディーン・パリソット監督、ティム・アレン主演の1999年のアメリカ映画「ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest)」。

1979年から4年間放送されたテレビドラマ「ギャラクシー・クエスト」は宇宙を探検するSFでカルト的な人気を誇り、十数年経ってもコンベンションでの出演者達のサイン会には大勢のファンが集まっていた。
しかし、「ギャラクシー・クエスト」のレギュラー達はその後は役者としてはパッとせず、彼らの仲も余り良くなかった。
あるコンベンションでタガート艦長役だったジェイソン・ネズミスの前にサーミアン人と名乗る人々が現れ彼に助けを求めるが、ジェイソン・ネズミスは番組のファンで仕事の話をしていると思っていた。
明くる朝ジェイソン・ネズミスの自宅にそのサーミアン人達が現れ、仕事の送迎だと思ったジェイソン・ネズミスは彼らに付いて行った。
しかし、ジェイソン・ネズミスが着いたのは本物の宇宙船であり、彼らが本当にサーミアン人で、「ギャラクシー・クエスト」を記録映像だと思った彼らはタガート艦長に敵対する種族との交渉をして欲しいと助けを求めに来ていたのだった。

この映画は実に素晴らしい。
この映画はテレビドラマ「スタートレック」のパロディ的オマージュ的映画だけれど、わたしは「スタートレック」が好き。
見ていたのは「新スタートレック」以降の「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」「スタートレック:ヴォイジャー」で、特に「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」がわたしの三大海外ドラマの一つになっている(あと二つは「ER緊急救命室」と「24 -TWENTY FOUR -」)
しかし、この映画のオマージュ部分は見ていると一番初めの「宇宙大作戦」を基にしている。
タガート艦長役のジェイソン・ネズミスが陽気で乗りが良いのに対し、ドクター・ラザラス役のアレクサンダー・デーンは気難しい顔をしていて、ドクター・ラザラスは乗組員では唯一宇宙人とかはジェームズ・T・カークとスポックだし、宇宙船の内部とか小道具は完全に「宇宙大作戦」。
わたしは「宇宙大作戦」を余り見ていないけれど、それでも相当楽しめた。
導入の皆が俳優としてはパッとしておらず、営業周りの日々で、各人物間の微妙な人間関係とか、ファンから持てはやされる一方で小馬鹿にもされる哀しさを持っている所から、ドラマの虚構の世界が実世界で実現してしまい、虚構が現実となった戸惑いと興奮から、自分達の事を心から信頼して信奉してくれる宇宙人を救いたいという熱い王道のSFアクション映画になる展開は抜群に上手い。
弱きを助けて悪者を倒すなんて真面にしてしまったら在り来たりなSFにしかならない所を、かつてのSFテレビドラマのかつての人気者達が主人公と一捻りしている所に、各登場人物達がドラマの役に乗っかりながら自分自身も本当に英雄化して行くという人間ドラマまで描いている。

また、上手いのが配役も。
ジェイソン・ネズミス役のティム・アレンと言えば、「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーの声でお馴染みだった人がこの映画で「あのタガート艦長」を演じていたり、ドクター・ラザラス役のアレクサンダー・デーン役のアラン・リックマンと言えば「ダイ・ハード」の犯人のハンス・グルーバーでお馴染みだったり、アラン・リックマンも役と同じくイギリス人俳優でシェイクスピア俳優だったり、タウニー・マディソン少佐役のグエン・デマルコ役のシガニー・ウィーバーと言えば「エイリアン」のエレン・リプリーだしと、微妙に映画内の役柄と被って見えてしまう様な俳優を使っているので、そこでも楽しめてしまう。
ただ、映画内の役者達と実際の俳優がちょっと違うのは、ティム・アレンはその後もずっとバズ・ライトイヤーを演じ続けているし、日本では放送が無かったようだけれど、七年も続いたシット・コム「Last Man Standing」で主演を務めていたし、アラン・リックマンはハリー・ポッターシリーズでセブルス・スネイプを演じていたし、シガニー・ウィーバーも数多く映画に出演したりと活躍。
技術主任チェン役のフレッド・クワン役のトニー・シャルーブはテレビドラマ「名探偵モンク」で有名だし、名前無しだった乗組員役のサム・ロックウェルはその後有名になってアカデミー賞とかも取っているし。
この映画のその後を知っていると、また違うおもしろさも出て来るという、この映画の設定が更に活きて来る。

この映画、わたしが「スタートレック」が好きだからか初めから最後までずっと楽しかった。
「スタートレック」好きでなくとも、現実の虚構と虚構の様な現実が入り混じるコメディとしても、熱い展開を見せるSFとしても抜群におもしろいはず。
はっきり言って、2009年から始まった新しい映画「スター・トレック」のシリーズよりもこの映画の方が全然おもしろい。
映画「スター・トレック」での「スタートレック無い無い感」の物凄さに比べると、この映画の「スタートレックあるある感」の楽しさったらない。
役名無しの乗務員の扱いあるあるは爆笑したしなぁ。

☆☆☆☆☆

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