ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック

2017年08月09日 水曜日

蔵方政俊監督、有野晋哉主演の2014年の映画「ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック」。
CS放送のフジテレビワンツーネクストで放送されているテレビ番組「ゲームセンターCX」の映画版。

2006年から2007年にかけて「ゲームセンターCX」で三回に渡って放送された有野の挑戦の「マイティボンジャック」の映像に1986年のゲーム好きの少年ダイスケの物語が挟み込まれる。

「ゲームセンターCX」は以前から毎月第一日曜日はCSが無料放送をするので、わたしはその時に「ゲームセンターCX」を録画し、DVDやブルーレイにダビングして保存しており、調べてみたら百回以上を見ているので大体半分位は見ている。
それに、よゐこの有野晋哉は昔から「オレたちやってま〜す」とか、今だと「オレたちゴチャ・まぜっ!〜集まれヤンヤン〜」等のラジオ番組を聞き続けていて、わたし自身は全然気付いていなかったし、そんな気もないけれど結構昔から有野晋哉を見続けて、聞き続けていたし、「ゲームセンターCX」も好きではある。
ただ、この映画はそんなわたしでもおもしろくなく、あらゆる部分が酷く、映画としても最低。

有野の挑戦部分はわたしは以前に「ゲームセンターCX 有野の挑戦 アーカイブス」で前編・後編を見てしまっていたというのもあるけれど、劇場公開される映画として作られているのに新たなゲームに挑戦するのではなく、過去の放送を結構編集した総集編を流し、まあ手抜き感、お手軽感ったらありゃしない。
この「マイティボンジャック」のクリアまでの挑戦はテレビ放送から結構編集されているので、全てを見るなら「ゲームセンターCX DVD-BOX4」に「マイティボンジャック完全版」が収録されているのでそっちを見た方が遥かに良い。
この映画での「マイティボンジャック」の挑戦は映画用の編集が結構あるし、何より1986年の少年部分と繋げる為に事実を改変しているし。

この映画の一番致命的なのは、間に挟まれる1986年の少年部分がおもしろくもない上に、必要も無いという事。
「マイティボンジャック」が発売された頃のゲーム好き少年の淡い恋心を描いているのだけれど、「ゲームセンターCX」を見ている30代以上の視聴者の多くが郷愁にかられる様な話にする為か、これがまあ安っぽい話で、はっきり言って陳腐。
わたしもこの時代には近い頃の子供だったけれど、こういう中学生の青春って全然響かない。「はい、はい、典型典型」で興味も無かった。
この少年の話と有野課長の挑戦を繋げる為に無理矢理少年が最後の公開収録に現れるとか意味不明。
まだこの少年が有野課長の少年時代という設定なら見ていても興味は湧くし、過去と現在との繋がりもある訳で何故か未来に行くという展開も分かるのだけれど、全く関係も無い少年の話っていらんだろ。
それに事実のねつ造までして過去と未来を繋げたのにエンド・クレジット後に少年の前に有野課長が現れるとか、お遊びでやったにしろ折角の繋がりを台無しにするだけの最悪なおまけ映像だったし。
まあ、有野課長の少年時代にしてしまったら、有野晋哉の兄ちゃん姉ちゃんがゴリゴリのヤンキーだったからこの展開にはならないからではあるだろうし、そもそも登場人物全員大阪弁じゃあないといけないので、これだけ安く仕上げているのに東京ロケが無理で大阪ロケだと制作費が全然足りないなんて事もあったのかもしれないか。

映像も有野の挑戦部分は2006年なので4:3画面時代で、新作部分は1.78:1なので、この二つの部分が変わる度に画面サイズが変わって違和感しかない。
16:9サイズの時代の映像か、それこそ新作で撮るべきなのに、過去の栄光だけに頼ってしまったばかりの不自然さが前面に出まくり。
これ、映画館で上映した時の有野の挑戦部分の画質ってどんなもんだったんだろう?別にHDリマスターとかしていないなら大分ボヤッとした映像と急に鮮明な映像になっていたのかしらん?
わたしはたまたま放送していたMONDO TVで見たのだけれど、MONDO TVって未だにSD画質なので、二つの映像の違いが大して分からなかった。
それと、この映画とは関係無いのだけれど、MONDO TVって未だにSD画質な上に映画でも途中で宣伝が入るという酷い仕様。有料放送でこれって、酷い…。

この映画って、「ゲームセンターCX」が人気でソフト版でも人気が出て売り上げが高いので、「更に稼ぐ為に映画にしよう!」と息巻いて作られたのが分かるけれど、ここまでの手抜きの総集編と駄目な過去の新作部分で、酷い映画と言うのか、テレビ番組の総集編と言うのか分からないゲテモノ的グチャグチャ感ばかりで、何じゃこりゃ?
「映画だ!」と知って期待して見た「ゲームセンターCX」のハードコアファンの暴動が起きなかったのが不思議な位酷い出来。
テレビ番組からお金を稼ぐ為の映画化はよくある手法だけれど、その中でも一・二を争う最低の映画じゃなかろうか?

★★★★★

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