沈黙の鎮魂歌

2015年12月22日 火曜日

ジェフ・F・キング監督、スティーヴン・セガール製作総指揮・主演の2009年のビデオ映画「沈黙の鎮魂歌(Driven to Kill)」。

元ロシアン・マフィアのボスだったルスランは、別れた妻はロシアン・マフィアのお付弁護士と結婚し、娘はロシアン・マフィアのボスの息子と結婚する事になった。結婚式に出る為に娘の元を訪れたが、ルスランが娘の元を去った後に何者かが攻めてき、妻は死亡、娘は意識不明の重体となった。ルスランは娘の婚約者と共に犯人を見つけ出そうする。

珍しくスティーヴン・セガールが元特殊部隊とか、刑事とかの何十回見たんだというお馴染み過ぎて飽き飽きする都合の良い設定ではなく、元ロシアン・マフィアのボスという変わった設定。
しかも、マフィアを継ぎたくはないボスの息子と二人で犯人探しをするのが主軸になって来て、これまたちょっと変わった設定。
ただ、これがまだ1990年代のスティーヴン・セガールが若く、ちゃんとアクション俳優だった時期の映画なら一風変わっていておもしろく見れれたんだろうけれど、やっぱり粗製濫造されているスティーヴン・セガールのビデオ映画。

一応これまた何度も見た事のある「妻子の復讐」という部分はあるにしろ、ただただスティーヴン・セガールが敵を殺しまくるという部分は変わらない訳で、やっぱり「だからどうした?」という話と展開。
敵も毎度の如く、問題を解決する為には「とにかく殺せ!」のアホさ加減だし。

スティーヴン・セガールのアクションも、かつての様な派手な敵への殴る蹴るも少なく、毎度の手をバタバタさせて大して動かない省エネアクションで、顔のアップは本人だけれど、敵と直接体が当たる様なカットはスタント・ダブルばかりで、アクション場面も少なく、多くはそのブクブクとした巨体を乗り出して銃を撃っているのに敵からの弾が全然当たらない銃撃場面が多いしで、毎度のセガールアクションで別に…という感じ。

もう、スティーヴン・セガール映画と「CSI:マイアミ」はどれ見ても、どんな設定でも結局はスティーヴン・セガールとホレイショ・ケインが「俺って、格好良いだろ?優しいだろ?絶対的正義なんだぜ?」の繰り返しなので飽き飽きして来た。最早、「わたしは何でこんなにスティーヴン・セガールの映画を見ているんだろう?」と疑問する為だけに見ている様な気がして来た。

この映画、スティーヴン・セガール映画としてはちょっと変わった設定ではあるけれど、それもスティーヴン・セガール映画をやたらと見ている人にとってはおもしろいものかもしれないけれど、映画としては毎度のスティーヴン・セガール映画でしかなく、「何で見たのか?」「何でこんなビデオ映画を量産しているのか?」と疑問に思ってしまった。

☆☆★★★

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