ナイアガラ
2014年12月05日 金曜日ヘンリー・ハサウェイ監督、マリリン・モンロー、ジョゼフ・コットン、ジーン・ピーターズ出演の1953年の映画「ナイアガラ(Niagara)」。
ナイアガラの滝の直ぐ側のキャビンに宿泊しに来た新婚夫婦。泊まろうとした部屋には派手な奥さんと精神を病む夫がいて、二人と関わりを持つ事となった。しかし、奥さんは別の男性と密会しており、旦那の殺害を企んでいた。
マリリン・モンローが出ているという事だけで見てみたけれど、話はおもしろくないし、マリリン・モンローも良くなかった。
戦争から帰って来た夫は躁鬱状態で、そんな夫に嫌気がさしているマリリン・モンローが描かれるので、そこの愛憎劇かと思ったら、大分経ってから夫の殺害を企む話になって行き、展開が物凄い遅くて退屈していた。その後ももっちゃりと話が進み、常にダラッと流れてメリハリが無く、サスペンスとしても緊迫感も無いし、マリリン・モンローが主人公っぽくもあるのに結局誰のどの話を中心に描きたいのかがブレて散漫になってしまっているし、最後のナイアガラの滝で船が落ちて行く場面の呆気無さとマリリン・モンローの方の夫婦の愛憎も引っ張る事無くサラッと終わってしまうし、終始グダグダして締まりが無かった。始めは真面に見ていたのに早い段階で転がって観始め、気付くと寝落ちしていたし。
それに場所がナイアガラの滝なのに、ナイアガラの滝は観光映像的な使われ方ばかりだし、ナイアガラの滝での夫の殺害場面も見せず曖昧なままで、「何でナイアガラの滝なの?」と思ってしまう。
そして、この映画の当時でも一番の見所であったはずのマリリン・モンローが全然綺麗には見えず、出番も少ない脇役位の扱いなのも、わたしにとっておもしろくない要因だった。マリリン・モンローの他の映画見た時は物凄く可愛らしい感じがあり、輝いて見えたのに、この映画では一人だけケバくて安っぽい女性にしか見えず、見た目の美しさも無く、光る感じも無かった。役柄が不倫をして夫を殺そうとしている役なのでやさぐれた感じを出しているのかもしれないが、安っぽい部屋でケバい格好で横たわれば売春婦にしか見えず、重そうなケツをプリプリ振って歩く姿は当時はセクシーだったのかもしれないけれど、今見ると滑稽。そもそも配役が何で冴えない40歳過ぎの中年男性と20代半ばから30歳前後のこんなやたらと自分の性を前面に出すケバケバしい女性が夫婦なのかが分からず、マリリン・モンローを売り出す為の配役にしか思えてならない。この映画のマリリン・モンローの顔を見ていると、素顔のチャールズ・チャップリンと似ている様な気がしてしまった。
この映画、昔から続く日本の二時間サスペンスと似た様な感じの映画で、しかもどんでん返しも無ければ意外性も無く、展開は遅いしのっぺりと起伏が無く、マリリン・モンローがいなければ今も話題になる様な映画ではない気ばかりした。そのマリリン・モンローの存在感も薄く、登場場面自体が少ないし、マリリン・モンローの良さが見えず仕舞い。
☆★★★★