ワイルド・ワイルド・ウエスト
2013年10月13日 日曜日バリー・ソネンフェルド製作・監督、ウィル・スミス、ケヴィン・クライン、ケネス・ブラナー共演の1999年のSF西部劇「ワイルド・ワイルド・ウエスト(Wild Wild West)」。
知らなかったけれど、「0088/ワイルド・ウエスト(The Wild Wild West)」という1960年代のTVドラマの映画。
19世紀半ばのアメリカ。有能な科学者を誘拐し、何かを計画しているマグラス将軍を逮捕する為に陸軍大尉ジェームス・T・ウエストと連邦保安官アーティマス・ゴードンが手を組み捜査を始める。
1990年代から2000年代にかけてのウィル・スミスの娯楽映画での稼ぎっぷりからのこの映画出演と、やたらと昔のドラマを数十年経ってから映画化する流行が見事に見て取れる映画。
19世紀半ばの西部劇なのにオーバーテクノロジーなスティーム・パンクが一杯で、見た目や雰囲気は非常に良いのだけれど、話自体はウィル・スミスとケヴィン・クラインのドタバタバディモノという、これまでの現代劇として描かれて来たコメディ色の強い刑事のバディモノと大して変わり映えしない内容で大しておもしろくない。
ウィル・スミスは、考えるよりもまず行動。銃をぶっ放して解決しようとする人物で、アクション担当。ケヴィン・クラインは暴力よりも自分の発明で解決しようとする人物で、天然系のコメディ担当。二人が常に揉めながら事件を捜査するので、「リーサル・ウェポン」とか、まさに同じバリー・ソネンフェルド監督作の「メン・イン・ブラック」シリーズを単に西部劇でやっているだけに思えて来て、わざわざこの舞台でやらなくても…と思ってしまう。この二人に科学者の父親を探す娘が加わり、敵の将軍は自分の手を汚さず無慈悲に人殺しをする悪役と、まあベタ過ぎる展開ばかりなのもしょうもない。
それに、映画の初めから何でケヴィン・クラインの恐怖の女装を見させられないといけなんいんだ…と。
オーバーテクノロジーも初めは良かったのに終盤になるにつれ、やり過ぎてしまったのも問題。もう最後はトランスフォーマーみたいな大型クモ機械を出してしまい、急に白けてしまう。だったら、始めから全てをオーバーテクノロジーの世界にしないと均衡が取れず、ただ馬鹿馬鹿しくなってしまう。
まあ、雰囲気は良いし、小道具やセット、ガジェット感は楽しいし、役者も良い人が出ているのに、話が何だかしょうも無い感じ。悪い意味でハリウッド的な大味な子供っぽさがある、まさにバリー・ソネンフェルド監督作品と言った所。
この映画、ゴールデンラズベリー賞で五部門受賞したそうだけれど、見てみるとそんなに悪くはないけれど、決して良くも無い映画。結局は子供騙し的部分が強過ぎるからなんだろうなぁ。その割に下ネタを多く入れて来るのもしょっぱい感じになってしまう。
☆☆★★★