ギター弾きの恋
2012年12月22日 土曜日ウディ・アレン監督・脚本・出演、ショーン・ペン主演の1999年の映画「ギター弾きの恋(Sweet and Lowdown)」。
ギター演奏は天才的で自分が世界二位だと思っているギタリスト、ショーン・ペンは自分勝手で尊大で口の減らない男。彼の恋愛模様を描く。
ショーン・ペン演じるエメット・レイという人物は架空の人物だけれど、彼が実際に存在した人物かの様に、現在の人が彼について語るモキュメンタリー風味の映画構成。ただそれも、ショーン・ペンの場面になると至って普通の映画でしかなく、更に現在の人であるウディ・アレンが1930年代の話なのにまるで見て来たかの様に語るので嘘臭さしかなく、現在の人の証言を上手く使い本編を見せる様な工夫も無いし、このドキュメンタリー風の構成が全く活きていない。しかも、途中では現代でのインタビュー風景無しに劇中の台詞だけで済ましてしまうし。正直、画面に出たくて仕方無い、出たがりのウディ・アレンが、自分の出番の為にこんな構成にしたとしか思えない。ウディ・アレンがウディ・アレンで出る必要性は全く無いし。
話的には才能はあるのにチンピラで浪費ばかりしている駄目男と、彼に献身的な喋れない女性の恋愛関係なんだけれど、どうにも盛り上がりが無くノッペリとしている。ショーン・ペンの演技で見れるけれど。
ショーン・ペンはギター弾きなのでもちろん手を映し、弾いてはいるけれど、全然音と指が合っていない後からの音楽吹き替えが丸分かりなので物凄く萎える。
彼女役のサマンサ・モートンは一切喋らないのに非常に印象的。喋らない分彼女の表情の演技で見せて、ショーン・ペンが駄目な役な分、より存在が際立っている。
話は普通以上を出ず、ショーン・ペンとギターの音楽で持っている。ただ、そんなに音楽も響いて来る感じでもないし、中途半端なモキュメンタリーも活きていないしで、非常に中途半端な映画。
☆☆★★★