ロッキー5/最後のドラマ

2012年08月19日 日曜日

回を重ねる毎に、ロッキーは偉大になるけれど、映画はそれと反比例して行き、何故続編が作られるのかさっぱり分からなくなって行くけれどの五作目「ロッキー5/最後のドラマ(Rocky V)」。

毎度の見飽きた、引退するつもりで悩み、もめるという話。今回は都合良くロッキーは突然破産。随分前から体はボロボロになっていたはずなのに、今更ライセンスが下りないどうのこうの。二作目辺りですでに行き詰った感はあったけれど、五作目にして初心に戻る為の落ちっぷり設定を持って来てのやり直しと締めにしている。
五度の前回のおさらいから始まる。もう「前回までの『ロッキー』は…」と言うナレーション入れれば良いのに。そこから鬱々としたロッキーの日常が延々と続くのも毎度の事。しかも前回ボクシングばかりで全然家庭の事は描かなかったからの反動か、今回は家庭ドラマばかりで、こっちはこっちで退屈。ロッキーの話よりも息子の話が多く、「ロッキー」だった映画がぶれている様な。
更に今回ロッキーは若手の指導に行き、息子に関心が行かず、話も弟子のボクサーに割く部分が多くなり、やっぱり「ロッキー」だったはずが活躍は無く脇役の様な薄さで、別にロッキーでなくてもいい感じに。
そのロッキーは成長したはずなのに、家庭は顧みない駄目な大人でアホの子っぽいけれども、まあこのシリーズでお馴染み、何でか知らないが都合良く全てが上手くまとまってしまう。結局何も変わらなかったロッキーに何を思えと…。
そして何よりこの映画が酷いのは、最早ロッキーはボクシングさえしない事。最後は道端で喧嘩して終わりって何のこっちゃ…。確かにこれまでボクシング場面が酷過ぎたけれど、その解決策としてボクシングをしないなんて思い切り過ぎ。喧嘩してスッキリって、始めのチンピラ・ゴロツキに逆戻り。それから抜け出したのが「ロッキー」だったのじゃあないのかよ…。

ロッキーの息子は行き成り大きくなり、でも実際には前作から五年も経っているだからあんまり大きくなっていないと思ったら、前作とは別人、シルヴェスター・スタローン本人の息子セイジ・スタローンだった。息子なのにあんまり似ていない。

この五作目で終りにしたはずだった「ロッキー」シリーズは、更にこの16年後に続編が作られ、シリーズはグッタグタに。もう寅さんみたいに毎年クリスマス映画で「ロッキー」すればいいのに。
今まで薄かったドラマをそれなりには描いているけれど、これまでがどうでも良い感じなので、まあ真面に見続ける程の集中力が湧く事も無く、シラッと終わってしまった。しかも、全ての悩みの解決はしょっぱ過ぎる方法と結末を見せ、この映画もグッダグダ。ボクシングさえしないロッキーはロッキーなのだかろうか?

☆★★★★

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