ボルケーノ
2025年06月02日 月曜日ミック・ジャクソン監督、トミー・リー・ジョーンズ主演の1997年のアメリカ映画「ボルケーノ(Volcano)」
ロサンゼルスで地震が起こり、緊急事態管理局局長のマイク・ロークが対処に追われていた。
そこに地下工事の工員達が焼死したという事件が起こり、マイク・ロークが調査に向かう。
水蒸気が漏れた事による事故だと思っていたマイク・ロークだったが調査中に目の前の亀裂から異常な熱風が吹き上げた事で不審に思い、地震学者のエイミー・バーンズを呼び寄せて調査を行う。
翌日、町中で噴火が起こり溶岩が流れ出した。
ロサンゼルスの各局が協力して流れる溶岩をどうにかしようと対処し始め、エイミー・バーンズの助言を受けながら陣頭指揮をマイク・ロークが行い始めた。
Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので「ダンテズ・ピーク」を見てみたのだけれど、火山が噴火する映画ってトミー・リー・ジョーンズとリンダ・ハミルトンだったんじゃなかったけ?とこの映画とゴチャゴチャになってしまっていて、それで見た「ダンテズ・ピーク」が結構おもしろかったので内容を忘れない内にと思って、その「ダンテズ・ピーク」から数か月後に公開された火山噴火映画のこの「ボルケーノ」も見てみた。
「ダンテズ・ピーク」とはまた方向性の違う噴火映画で、こちらも中々おもしろく見れた。
「ダンテズ・ピーク」は前半が火山の噴火の予兆を見せながらピアース・ブロスナンとリンダ・ハミルトン二人の関係を見せつつ、中盤で火山が噴火するとその噴火からどう逃げ出すかの科学映画から生き残りパニック映画になる構成が結構おもしろく見れたけれど、この「ボルケーノ」はデザスター・パニック映画に振り切っていて、より娯楽色が強かった。
初めで普段の町の生活の様子を見せ、その中にいる様々な人々を描き、そこからトミー・リー・ジョーンズの周りを描いたと思ったら行き成り地震が起こって結構早い段階で噴火して流れ出した溶岩をどうするのかの話になり、その溶岩に立ち向かうのが初めに出て来た人々という展開で、デザスター・パニック映画としては早い段階で走り出してそのまま一気に突き進む構成で飽きる事無く見れてしまう。
登場する人々は役が濃いという訳でもないけれど、ちゃんと各人で見せ場があり、皆が一丸となって災害に立ち向かうという点では熱い。
ただ、その人々がやたらと死場が見せ場でお涙頂戴が多かったり、問題解決したかと思ったら解決にはなっていないとか、次から次へと問題が出て来るとか、まあ映画的展開が満載で、最後でも主人公の娘が男の子を追い掛けて爆破の真っ只中に来て、それを見て助けに行く主人公と、その主人公を遠くから見分けてしまう学者とかは出来過ぎ、やり過ぎで、一番最後の盛り上げの所で覚めまくってはしまった。
それと、「ダンテズ・ピーク」は特撮、CGが結構良く出来ていて本物感が高かったけれど、この「ボルケーノ」は実際の炎や爆破は良いのだけれど合成が浮きまくりで良くなく、そこで入って行けないという事があった。
Amazon プライムビデオで検索すると何故か「ボルケーノ(字幕版)」と「Volcano」の二つがあり、「Volcano」の方は日本語字幕が無く英語字幕のみなんだけれど、こっちの「Volcano」の方が溶岩とかの合成がまだ綺麗に見えた。
「ボルケーノ(字幕版)」の方は途中に場所や時間が日本語字幕で出て来るけれど、その時の音はカタカタとタイプライター音がしていて、見ていた時に多分この音からして画面に英語で表示されているのだろうなぁと思っていたけれど、「Volcano」の方ではちゃんと画面に英語字幕が出ていたり、「ボルケーノ(字幕版)」の方では画面が切れている感じがあったのが「Volcano」では画面上下に細い黒帯が出ていたので、多分「ボルケーノ(字幕版)」は日本語字幕用に色々いじっているみたいなので画質も落ちてしまって合成も悪く見えたのかな?とも思った。
実際の撮影の方は常に灰が降り注ぎ、あちこちが燃え、大規模なセットで撮影しているので現実感や迫力はあるので、やっぱり特撮がなぁ…になってしまう。
役者は、トミー・リー・ジョーンズは何時もの仏頂面に、ここぞと言う時にはまくし立てる様に話す何時ものトミー・リー・ジョーンズなんだけれど、こういう早い状況把握と決断はやっぱり見ていて気持ち良しいカッコいい。
ただ、この時でも結構おじいさんに見えてしまうのに娘が十三歳って、何か設定が微妙な感じがしてしまった。
ちなみにトミー・リー・ジョーンズはこの時は五十歳。
主人公の部下役でドン・チードルが出ていたけれど、何か若い。
役的にお得な役ではあった。
気になったのは監督のミック・ジャクソンで、この人1992年に「ボディガード」を監督して大当たりさせているし、この「ボルケーノ」も結構当たったのにこの映画以降はテレビ映画がほとんどで、何でこの人に大作映画作らせて当ててもらおうという流れにならなかったんだろう?
この映画、主人公とその相棒的科学者の活躍を描きつつ、頑張る市井の人々を見せる群像劇もありつつの熱い燃える展開を見せるデザスター・パニック映画で、如何にもなハリウッド映画なんだけれど結構上手いし、おもしろく見れてしまう映画でした。
ほぼ同時期に作られて公開された「ダンテズ・ピーク」と方向性の違いを見るという部分でもおもしろく見れました。
☆☆☆★★
関連:ダンテズ・ピーク