ブロークン・アロー
2013年06月24日 月曜日ジョン・ウー監督、クリスチャン・スレーター、ジョン・トラヴォルタ共演の1996年の映画「ブロークン・アロー(Broken Arrow)」。
空軍の二人の操縦士が核兵器を搭載したステルス爆撃機の模擬演習を行う。飛行の最中に突然ジョン・トラヴォルタがクリスチャン・スレーターを攻撃し、無理矢理緊急脱出させる。ジョン・トラヴォルタは地上に仲間を配置しており、核兵器を持ち去ろうと計画しており、それを知ったクリスチャン・スレーターは彼を不審者と思い追い駆けて来た公園監視員と共にジョン・トラヴォルタ達を止めようとする。
ちなみに題名になっている「ブロークン・アロー」は核兵器の紛失を表す政府や軍の暗号。
監督のジョン・ウーって、香港での映画は評判も良く、ヒットもしているけれど、ハリウッドに乗り込んで来て撮った映画はやたらと微妙な感じのモノが多いけれど、これもそんな代表作。
何だろう?全体的に安っぽい感じがしてしまうのは。砂漠でヘリコプターや自動車や汽車等をボンボン爆破して結構派手な場面が多いにも関わらず、何だか地味。核爆弾が爆発して地面に衝撃波が走る場面を実際に特殊技術で撮影している場面は結構おもしろいのに、それ以外の爆破場面が全然印象に残らない。一つ一つの派手な場面をこなしている感じがしてしまい、映画に一気呵成の盛り上がりがない。「しょうもない!!」と怒鳴る程でもないけれど、決しておもしろくもない。
主役の二人も、クリスチャン・スレーターは1990年代辺りは一時期次のスター候補的な扱いだったのに、今では出演する映画も脇役だったり、日本では劇場公開されなかったりとどうにもさっぱりな感じばかりだけれど、それがすでにこの映画でも。正義感の強いけれど、爪が甘い若い軍人はぴったりなのに、弾ける感じがなく、完全にジョン・トラヴォルタに持って行かれてしまっている。アクション映画の主演にしては地味。途中途中がんばってジョン・ウー・アクションを見せたりもするけれど、完全に借りてきた猫。
一方のジョン・トラヴォルタは、何処かで見た様な不遜で自信家で揺るぎなく容赦ないという、既視感的な毎度の悪役。序盤は大人しい結構良い奴っぽい感じの役なのに、結局は毎度の悪役で、この毎度感で早くも飽きてしまう。
多分この映画のヒロインの立ち位置である公園監視員役のサマンサ・マシスは誰よりも地味。クリスチャン・スレーター以上にアクションがぎこちない。
デルロイ・リンドー演じる大佐や、フランク・ホエーリー演じる現場までやって来た役人とか、何かおもしろそうな展開を見せる様な雰囲気で登場させておいた割に、あっさり退場したり、特に見せ場も無かったり、変な配置。
この映画、悪くも無いけれど、ジョン・ウー的な激しさ、弾けっぷりがなく、盛り上がりに欠けてしまう。ただし、前に飛び出しながら二丁拳銃を撃ちまくるクリスチャン・スレーターという、何時ものジョン・ウー・アクションはあり。
どうにもこうにも弾けっぷりが無いのが問題で、ミサイルに直撃されて飛んで行くジョン・トラヴォルタ位しか見所がないのは痛い。
☆☆★★★