動く標的

2013年06月23日 日曜日

ジャック・スマイト監督、ポール・ニューマン主演の1966年の映画「動く標的(Harper)」。
ロス・マクドナルドの小説「動く標的」を映画化。

私立探偵のルー・ハーパーは、夫が行方不明になったので捜索して欲しいと富豪の夫人からの依頼を受け、捜査を始める。やがて、失踪した旦那の周りの黒い噂を聞き始め、ハーパー自身にも身の危険が迫る。

非常にもっちゃりしたサスペンス映画。前半から中盤は殆どがポール・ニューマンが聞き込みに駆け回るだけで、事件の進展や真相が見えて来なくて退屈。後半はその聞き込みに加え、行き成り二・三発撃つだけの銃撃戦がある位で、やっぱり退屈。事件は一向に進まないし、途中に出て来る人は「この人誰だっけ?」と思い出せない位の話の散漫さ。謎は何だか良く分からないまま進んで終わってしまう感じで流れがよくないし、伏線張った割に物凄くこじんまり終わるし。
ポール・ニューマンには離婚を進めている妻がおり、依頼人も夫婦関係が上手く行っていないという設定があるのに、それをポール・ニューマンの悩みを描くには全然役にも立たず仕舞いで、単に女性という記号を見せるカッコ付けの道具でしかいないし。

この映画、ポール・ニューマンじゃあなきゃ、目も当てられない。ポール・ニューマンが明るく、ひょうきんではあるけれど、何処か哀しさもある役を魅力的に演じているから成り立っているけれど、緩慢で盛り上がりに欠けまくる脚本と、安っぽい室内セットで、安っぽいグダグダしたサスペンスにもなっていない様なサスペンス映画で、出来はよろしくない。

☆★★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply