白と黒のナイフ
2012年08月04日 土曜日ジェフ・ブリッジス、グレン・クロース共演の映画「白と黒のナイフ(Jagged Edge)」。
妻の殺人容疑をかけられたジェフ・ブリッジスを弁護するグレン・クロース。
何だか微妙な出来。裁判が中心となるのは分かるのだけれど、その裁判が一向に始まらず、見ていてもヤキモキするだけ。裁判までグレン・クロースがジェフ・ブリッジスとの会話や彼の行動から何かを引き出したりして、裁判がどうなるのかを盛り上げるのかと思いきや、浜辺を二人で歩いていたり、景色の良いバルコニーで食事したり、馬に乗って駆け回ったり、どうでも良い余暇を楽しんでいるので「一体何をしているんだろう?」と思っていたら、何でか分からないが何時の間にかグレン・クロースがジェフ・ブリッジスに惚れているという話に。正直、40近いジェフ・ブリッジスとグレン・クロースのキスシーンだの、ベットシーンだのなんて、誰が見たいんだ?序盤でグレン・クロースが自分の被告と出来てしまう段階で、彼女が出来ない弁護士にしか見えず、この後の裁判もグダグダになり、爽快な裁判劇にならないのだろうなと分かってしまい、覚めるのは早い。
裁判はこの映画の半分位から始まり、そこまで大した証拠集めや、アリバイ固めも見せてはいなかったのに、裁判になると急に証拠をバンバン出して来たり、グレン・クロースの仲間はジェフ・ブリッジスが胡散臭いと公言していて、彼との関係も知っているのに、この後の裁判に悪影響なはずなのに大して忠告もせずで、裁判モノとしても微妙な展開。
何より、ジェフ・ブリッジスの背景をはっきり見せず、グレン・クロースが彼と引っ付いた時点で、事件の事実もそうなんだろうなと分かってしまうしで、意外性も特に無く。最後が衝撃的な結末という感じで見せているけれど、早い段階で分かり切った事を最後の最後に「どうだ!」と大声で言われた所で、しょっぱさしかない。
グレン・クロースの演技は何だかいまいち。結構如何にもな演技で、そんなに上手く見えないし。
ジェフ・ブリッジスは一切怪しさを見せない爽やかさで、それ結末的に違うんじゃないのと思ってしまう。
監督が「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」を監督したリチャード・マーカンドなので、グレン・クロースの家の子供部屋の扉に「Return of the Jedi」のポスターが貼ってあったりして、この映画の雰囲気と全然違う小ネタがあったり。
ジェフ・ブリッジスの人物像と、グレン・クロースがジェフ・ブリッジスと引っ付いてしまう事で、全ての展開は見えてしまい、至って予想を裏切らない、興味を引く事の無い展開になってしまっている。「ランニングバックが、何番のディフェンシブエンドの横を通り抜けますよ!」とクォーターバックが宣言して、その通りのプレーになってしまう様な映画。
☆★★★★