おしゃれ泥棒
2012年07月26日 木曜日オードリー・ヘプバーン、ピーター・オトゥール共演の映画「おしゃれ泥棒(How to Steal a Million)」。
贋作作りを止めない父親に頭を抱える娘が、それが贋作とバレてしまうかもしれない可能性が出て来た彫刻を盗み出す為に、自分の家に入って来た泥棒に協力を頼み、盗み出そうとする。その泥棒の事が気になるオードリー・ヘプバーンとピーター・オトゥールの恋愛話と、どうやって盗み出すかのサスペンス。
この盗みに至るまでと、どうやって盗み出すか、その後どうなるかという展開は中々おもしろい。確かに今見ると少々野暮ったい所や、編集の小気味悪い部分もあるけれど、ハラハラとドキドキに、恋愛のドキドキも足される二重の構図もおもしろい。
そのしゃれた泥棒が話の主題で、恋愛部分はまあおまけ的要素。しかし、またもやオードリー・ヘプバーンはピーター・オトゥールに行き成りキスされても、ちょっと拒むだけで嫌がらないし、アメリカ人の社長のおっさんにキスされてもそのままなビッチ。初めて出会った男性にもブッチュブチュキスするし。オードリー・ヘプバーンがやたらと尻軽女が多いのは何でなんだろう?
謎は物置に閉じ込められた時、磁石で内側から鍵を移動させるけれど、段差がある部屋の角をどうやって乗り越えたのか?そこの場面はカットしてあり、一切分からない。それに舞台もフランスで、登場人物もフランス人なはずなのに皆英語で話す。ラジオ放送まで英語。あと、台詞ではホテル・リッツと言っているのに、字幕ではホテルRとなっているのは何故?
オードリー・ヘプバーンは37歳で、少しおばさんの風が出てき、ちょっと若い少女的な、奔放な若い子に無理が出て来ているけれど、綺麗なのでそこは「まっ、いっか。」で目を潰れてしまう。
ピーター・オトゥールは34歳で、実はオードリー・ヘプバーンよりも年下なのに、それでもおっさんと若い女性に見えるのは、その年齢差を意識したピーター・オトゥールの老けた役作りなのか、それともオードリー・ヘプバーンの若さなのか?
1966年の映画だから仕方ないとは言え、美術の作り物感は強い。セットは全部やたら天井が高く、天井自体見えないセットだし、絵画は偽物と本物が出て来るけれど、本物も美術担当が作ったのだろうなと分かる安さがある。
それに音楽の使い方が、笑いを出そうとする、面白い所ですよの音楽の使い方で古過ぎるし、小寒い。
原題とは関係無い何故かの「おしゃれ泥棒」で、しかし、映像的には言う程おしゃれでもないけれど、なかなか楽しい映画。全てが上手く行き過ぎなのはコメディ的でもあるからだけれど、上手い事盗み出すという映画は、少々無茶しても結局楽しかったから「まっ、いっか。」で、見た後は爽快。
☆☆☆★★