男の出発

2012年05月24日 木曜日

西部開拓時代の少年の希望と挫折を描いた「男の出発(The Culpepper Cattle Co.)」。

少年がカウボーイの一団に入り、カウボーイの血生臭すぎる現実を見ても、それでも自分を大人として認めて欲しく行動するけれど、何時もいらん事ばっかりして人が死んで行く。
西部開拓時代のカウボーイの生活や、その時代の子供から大人への成長物語なんて興味が無いので、別におもしろくは無い。「取り柄の無い奴がカウボーイになる。」と序盤で言った事が結論で、既に出た「カウボーイって名前が独り歩きしているけれど、ただの無法者」という結論をずっと描いているので、「ふ~ん…。」で済んでしまう映画。この映画ではカウボーイを「やられる前にやってしまえ。とにかく解決するには殺しとけ。」な、行ってしまっている人達として延々描かれるので、西部開拓時代の陰の部分を描きたいのは分かるけれど、いまいち誇張し過ぎな感じもしないでもない。最後の「皆死んでお終い」の無常観を出す為の仕掛け感は強い。ニューシネマの時代性もあるのだろうけれど、そっちに寄り過ぎで、結構あざとさが見えて、出来過ぎ感ばかりになってしまっている感じ。
銃撃場面も如何にも1970年代な感じで、やっぱり血が赤々とした蛍光色の様な赤色なのには覚めるし、台無し。
それに酷いのは、夜なはずなのに映像はただ薄暗いだけ。昔の映画だから仕方無いにしても、昼間の撮影でカメラの露出を絞っただけ、それも結構明るいのはしょっぱい。なのに一方で普通の夜間撮影の夜もあるんだから、製作の安さが見えてしまう。

少年が現実にぶつかって挫折と言うよりは、常にいらん事して引っ掻き回しているので、「この人達、何してんだろうなぁ…。」と思いフワッと眺めている感じで、乗り込めない。おっさんの復讐とかの銃撃戦じゃあない西部劇、少年の青春映画と、まあそそられない題材なので、感想としても、それ程おもしろいモノでもなかったとしかならない。

☆☆★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply