コブラ SPACE ADVENTURE
2011年12月26日 月曜日アニメーションは見るとしても毎週は「ザ・ペンギンズ from マダガスカル」と時々「ザ・シンプソンズ」位なモノで日本のアニメは観ないけれど、子供の頃TVで見てその後漫画を買って読んだ位気に入ったのは寺沢武一の「コブラ」。で、その「コブラ」のTV版以前に一番初めにアニメ化された映画版の「コブラ SPACE ADVENTURE(スペースアドベンチャーコブラ(劇場版))」。
しかしこれが全く良くない。
数々の素晴らしい原作の設定が改悪されまくり。タートル号は変てこな宇宙船になっているし、クリスタル・ボーイは変な外套を着て、体の中から骨を取り出して武器にしたり、白い歯を見せて笑ったりして気持ち悪いし、何よりもコブラ一番の特徴のサイコガンが義手を抜き取っての銃撃ではなく、いきなり腕が消えてサイコガンが出て来るという訳の分からないモノへ改悪されている。西部劇の一騎打ちのホルスターから銃を抜く様な効果や、必殺ロケットパンチも可能なのに、何で大事な所を変えたのだろう。それにコブラは野沢那智であるべきで、野沢那智じゃなきゃいけないのに、松崎しげるって…。
演出的には意欲的で、前衛的でなかなか良いのだけれど、それがファンタジー色を強め、変に抽象的でうっとうしい感じになっている。全体的に流れる1980年代日本アニメ臭も臭くて我慢出来ない。あの青、赤、黄等の光の使い方が嫌い。それに人物、宇宙人や機械類等あんまり寺沢武一の感じがしない。寧ろスターウォーズの影響が強い様に思えた。
あと音楽も、何か当時の角川映画みたいだし、妙にメロドラマっぽいし、急にキャプテンハーロックかよ…といった松本零士アニメの様な感じになったり、電子音楽はしょっぱいし良くない。
話はお馴染み三姉妹を改変したモノだけれど、恋愛要素ばかりが中心になり早い段階でどうでも良い感じになったので、それ以降は早送り。
設定は改悪ばかり、コブラのスペースアドベンチャーの要素は薄いし、演出を凝ったモノにし過ぎて全体的に小賢しい感じでどうでも良くなって来る。この映画を見るんだったら絶対にテレビアニメ版を見るべき。
★★★★★