プリンス&プリンセス

2011年10月16日 日曜日

フランスのアニメーション監督ミッシェル・オスロが作り出した、六つの話が連なる影絵方式のアニメーション映画「プリンス&プリンセス(PRINCES ET PRINCESSES)」。

劇場の舞台での上演と言う形で行われる、古今東西の物語。基本的には題名が示す通り、王子と姫の話。まるで童話集や、昔話を見ている様。ただ、一つ一つの話が昔話で良くある同じ繰り返しで結構起伏に欠け、設定も若者が姫に求婚というモノなので、ちょっと飽きる所はある。しかし、三話目の「魔女」辺りからは話がおもしろくなって、「泥棒と老婆」「冷酷なプリンセス」まで良い感じで行く。けれど、最後の「プリンス&プリンセス」が何じゃこりゃ?な話で終わって行くので、後味が変な感じ。
一番好きな話は「魔女」。こういう爽快な終わり方は好き。「冷酷なプリンセス」は付け足しが無ければ物凄く良い感じなのに。

この映画の特徴は何と言っても影絵という表現方法。背景は色鮮やか、人物は黒く、しかし動きは滑らか。1999年公開なのに古さを感じるのはこの表現方法だからなのだろうか。ただ、見ていても、印象が薄く見えても強い印象を残し、また影絵だからこそ、色や空間の取り方が引き立つ。「魔女」の炎や光の表現は良いし、「泥棒と老婆」の空間の取り方や奥行の出し方等上手い。この二話だけ他のよりも力が入っているのか、今までと違い急に表現豊かになっている。

こういう影絵を活かしたアニメーションも、アニメーションこそアニメーションの醍醐味が味わえる。

これを新たにBSで開局し一年間無料となっている「FOX bs238」で見たのだけれど、結構酷い。TV放送がデジタル放送になってからどこの局もチャンネルロゴが表示されているが、この局は珍しく左上で結構大きく白くはっきりと出ている。それにこの映画は70分程なのに何故か番組放送時間が二時間半。番組表で録画予約したら、後は知らん、いらん番組が一時間以上入っていた。番組表の意味は?

☆☆☆★★

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