吸血鬼ノスフェラトゥ 恐怖の交響曲
2011年09月03日 土曜日「吸血鬼ノスフェラトゥ」を見た。
ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」映画化だったけれど、版権元に拒否され別の映画として作られ、それこそが後年に類を見ないノスフェラトゥことオルロック伯爵の恐怖が出た素晴らしい映画。
やはりそのオルロック伯爵を演じた俳優マックス・シュレックが凄過ぎる。闇の中に浮かび上がる姿や、遠くに動かず見える姿、その造形は本当に恐るべき者。80年近く後の2000年に、「実はこのマックス・シュレックが本当の吸血鬼だった!!」という映画「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」が作られたのも分かる。マックス・シュレックと言う名前からしてドイツ語で「最大の恐怖」なんて出来過ぎている。
これの映画はドイツで2005~2006年に復元され、欠落した場面をコピーで補ったり、字幕やインサートカットを新たに付け加えたりしてあるそうだ。
確かに物凄く綺麗に、細かい所まではっきりと見えている。そこはフィルムの強さ。しかし本編は、昼間はセピア色、夜になると緑と言うか青と言うか、字幕は緑と各場面に色が付いている。確か以前見た時は白黒だったはずと思ったら、インターネット・アーカイブ(Internet Archive)のMoving Image ArchiveにあるNosferatuは全編白黒なので、後から着色されている様。
これは非常によろしくない。着色だけでそれだけ変わるかとも思えるが、白黒のノスフェラトゥの恐ろしさが半減。奇妙さが強くなり、滑稽にさえ見えてしまう。やはり白黒でないと。
わたしは「カルガリ博士」も好きなので、この時代のドイツ表現主義の映画ってやっぱり良いよなぁと感じてしまう。
☆☆☆☆☆