ブリット

2011年06月26日 日曜日

スティーブ・マックイーンの映画シリーズも5本目。「ブリット(BULLITT)」を見た。

証言者を警護していたら、あっさり殺されてしまい、そこから事件が展開して行く刑事モノ。
粗筋だとおもしろそうなのだが、これが退屈な映画。一番の理由は監督ピーター・イェーツの、何かありそうな感じで一カット、一シーンを長めに見せるが特に意味は無く単に長いだけという演出が、ただ間延びさせる。始まりは軽快な音楽と構図とカメラワークで洒落ていてなかなか良いのだけれど、それ以降は音楽も特に無く盛り上がりに欠け、展開自体も一時間半、一時間位の内容を二時間に引っ張った位のだるい展開なので、見ていて早送りしたくなり、実際してしまう。正直な所、アカデミー編集賞を取ったのが見ていても良く分からない。
登場人物の描き方も浅めで、スティーブ・マックイーン演じる主人公の刑事は考えている事がいまいち伝わって来ないし、上院議員ももっと嫌らしく攻めて個性を出しても良い所。

しかし、中盤のスティーブ・マックイーン自らマスタングを運転したカーアクション、カーチェイスは結構良く、遠くに見えるサンフランシスコ湾とゴールデンゲートブリッジと町並みの中で、サンフランシスコの坂道で飛び跳ねる自動車は迫力もあり、一番の見せ場でもある。車内カメラの映像はまるでFPSみたい。

時々素晴らしく魅せる構図を作っていたり、カーアクションも良いのに、それになんせスティーブ・マックイーンが主役で出ているのだから、話や登場人物の描き方によってはおもしろい映画なったはずなのに、演出の悪さで何だかつまらないモノになってしまった映画。

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